今シーズンの展望
昨季はロマン・アブラモビッチ政権で最低となる10位で終え、絶望のシーズンを送ったチェルシー。今季はアントニオ・コンテ監督のもと、ゼロからのスタートを切ることになる。
エデン・アザール、ジエゴ・コスタ、セスク・ファブレガスらは頻繁に移籍が報じられたこともあったが、主力どころは全員が残留。特に、コンテ監督が正式就任前にキャプテンでありクラブのシンボルであるジョン・テリーを留意させる大仕事を成し遂げた。
一方では人員整理も着々と遂行した。期待外れに終わったアレシャンドレ・パト、ラダメル・ファルカオは所属元クラブに返却。順応しきれなかったババ・ラーマン、ケネディ、ロイク・レミらは期限付き移籍で放出した。
補強の方も順調だ。昨季は奇跡のリーグ優勝を果たしたレスターにおいて“影のMVP”の呼び声高いエンゴロ・カンテは持ち前の運動量でチームの守備を支え、早くも欠かせない存在となっている。ミッチー・バチュアイもプレシーズンから好調を維持し、リーグ戦とカップ戦の両方でゴールを奪うなど大きな可能性を感じさせる。
また、移籍市場の最終日にダビド・ルイスとマルコス・アロンソの2人のDFを獲得している。同じくDF補強が急務となっていた昨季はターゲットに次々と逃げられ、結局最終日にパピ・ジロボジの獲得のみという失態を演じた。
もし今季もDF補強に失敗すれば昨季と同じ轍を踏むことになっていたが、昨季の反省を活かして実績のある選手の獲得に成功した。
失意のシーズンから脱却すべく補強を進め、コンテ監督のもと復調に向かうチェルシーだが、いきなりの優勝を望むのはナンセンス。マンチェスター勢は大型補強を次々と成立させており、強力なライバルとなる。
欧州のコンペティションはなく国内の戦いに集中できるとはいえ、来季のチャンピオンズリーグ出場圏内となる4位以内が現実的な目標だろう。