補強・総合力診断
補強診断 B
インテルは欧州でも有数の“嬉しいサプライズ”となった。FFPによって身動きが取れなくなると見られていたが、結局1億ユーロ(約113億円)以上の赤字を計上しながら、J・マリオ、ガビゴル、アントニオ・カンドレーバ、エベル・バネガと大型補強を連発させている。
J・マリオの移籍金は4000万ユーロ(約46億円)と、クリスティアン・ビエリ氏に次ぐインテル史上2番目の高額移籍となる。ブラジルの怪物ロナウドの移籍金をも上回った“爆買い”となった同取引には批判の声も集まっているが、インテルの積極的な移籍市場での立ち回りに胸を躍らせたファンも多いはずだ。
チームの補強ポイントであるセンターバックとアンカーの補強は叶わなかったが、総合すれば大きく戦力強化したことは間違いない。また、今後も中国資本の投入が期待されることを示したことの影響は大きかった。新フロント陣にとっては、ひとまずはインテリスタ(インテルファン)の信頼と期待を勝ち取った形だ。
総合力診断 B
いよいよCL出場権が現実的な目標となった。昨季の時点でも4位とあと少しのところまで来ていたが、今季はノルマへと昇格するだろう。また、選手層が厚くなったことでヨーロッパリーグ(EL)での活躍に期待が集まるはずだ。新フロントは既に「セリエAとELで優勝する」と抱負を語っており、2大会の両立が求められる。
十分な戦力を得たことで、問題はデ・ブール監督の手腕の一点に絞られるだろう。オランダの盟主アヤックスでは素晴らしい成果を収めた同指揮官だが、セリエAは監督にとって最も難しいコンペティションの一つだ。事実、デ・ブール監督はキエーヴォ戦(0-2で敗北)とパレルモ戦(1-1で引き分け)で既に煮え湯を飲まされている。「4週間もあればインテルは結果を出し始める」と豪語するデ・ブール監督の采配には今後も大きな注目が集まりそうだ。
【了】