今シーズンの展望
やはり中国資本の到来で幕を開けたインテルに革命が起こらないことなどありえなかった。
インテルは6月6日に中国の「蘇寧グループ」が主要株主となることを発表。当初はファイナンシャル・フェアプレー(FFP)の影響もあり移籍市場では静かな立ち回りとなると予想され、ロベルト・マンチーニ監督も続投されると見込まれていた。
しかし、蓋を開ければセリエA開幕2周間前にマンチーニ監督が電撃契約解除。新指揮官にフランク・デ・ブール監督を招聘した。一説によればマンチーニ監督の契約解除は新フロントである中国陣営との確執が原因とされている。さらに移籍市場終盤ではEURO2016王者ポルトガル代表10番のジョアン・マリオ、そしてオリンピックを制したU-23ブラジル代表の“ネイマール2世”ことガブリエル・バルボサ“ガビゴル”の2選手を“爆買い”した。
順調に戦力を積み上げたインテルは、いよいよセリエAでチャンピオンズリーグ(CL)出場権を奪還する準備が整った。ライバルであるナポリとローマはともに要であるゴンサロ・イグアインとミラレム・ピャニッチを失っており、デ・ブール監督の手腕次第で3位奪還は十分に可能な目標だ。
気になる日本代表DF長友佑都の処遇については、デ・ブール監督は同選手への信頼を示しており、開幕戦でも左サイドバックとして先発出場を果たした。アンドレア・ラノッキアやダビデ・サントンとともに古参である長友には、インテル復権のためチームをまとめる役割が期待されている。
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