今シーズンの展望
リーガエスパニョーラの開幕2試合を見るかぎり、シメオネ体制5年目の今年、アトレティコ・マドリーは正念場に来ていると言っていいだろう。
シメオネのカリスマ性、求心力に支えられたチームは高い守備意識、ピッチに立つ11人全員のハードワークを前提に、素早い攻撃を繰り出し、バルセロナ、レアル・マドリーに肩を並べる内容と結果を出し続けてきた。シメオネが途中就任した11/12シーズンのヨーロッパリーグ制覇を皮切りに、リーガやコパ・デル・レイの優勝、チャンピオンズリーグの準優勝2回と輝かしい成績を残してきた。
今シーズンの開幕前にシメオネは「大きく変えようとは思わない」と述べ、これまでの戦い方を踏襲する意思を示したが、リーガ開幕から2試合で1得点、奪った勝ち点は2。シメオネ政権下で最も悪いスタートとなった。
同じスタイルを継続することによるチームのマンネリ、“金属疲労”、対戦相手からの徹底した研究など様々な原因は考えられるが、一つのサイクルの終わりが見えつつあるといえるだろう。
また、シメオネは「戦況や相手を見て変化する。我々は変化に対応できる選手たちを抱えている」とも話している。この“”変化”をどのタイミングでどのように付けていくかが重要なポイントになってくる。
今シーズンのアトレティコのメインターゲットはビッグイヤーだ。2度のマドリード・ダービーに敗れ、シメオネ・アトレティコが手にしていないタイトルはCLのみ。このタイトルを獲らずして、アトレティコを離れることはできないはずだ。
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