3-0から2ゴールを許し、一転ピンチに
後半開始早々、中国が反撃に出た。前線に2枚のFWを置き、後ろ向きのボールを適切に使う場面も見られた。韓国の守備の隙を狙ったいい選択だ。しかし前半同様、韓国が徐々にペースを上げ相手陣内での試合を展開。ポゼッションでも中国を上回った。そしてこれが連続ゴールに結実する。
後半17分、ボールを持ったソン・フンミンが左サイドを走るチ・ドンウォンにパス。相手にマークされながらも逆サイドにクロスを上げると、中に入り込んでいたイ・チョンヨンが豪快なヘッドで合わせ追加点を奪う。3分後には同じ位置でソン・フンミンが切り込み、インサイドにクロス。相手DFと競り合っていたグ・ジャチョルが右足で合わせ、3点目を奪った。3-0、韓国の勝利は確実とみられた。
しかし直後から中国が猛反撃。韓国守備もいきなり乱れ、相手にチャンスを与え続ける。そして後半28分、ペナルティエリアでウ・カイにボレーを許し1点返されると、その3分後には元シャルケのコウ・シュンビンの鮮やかな右足フリーキックを決められ、一気に2点を失った。
後半33分には中国の鋭いヘッドをチョン・ソンリョンがスーパーセーブで何とか防いだ。間近に来ていた勝利を逃す危機に迫られた韓国は19歳のファン・ヒチャン(レッドブル・ザルツブルク)を投入、攻撃を任せる。一進一退の攻防が続いたが、猛反撃を凌いだ韓国が初戦で白星を飾った。
試合後記者会見でまず現れたのは中国の高洪波監督。彼は韓国の勝利を讃えた。そして選手たちの闘志を称賛しながらも自分を含むチーム全体の経験不足を敗因と語った。
「韓国は経験で僕らよりも優れていた。中国の選手たちが見せた闘志や戦術理解度については満足のいく試合だった。韓国は4回のチャンスで3ゴールを決めている。運なのか、実力なのかはわからないが、こういうチャンスを与えてしまったのはスタッフの責任だ。
2ゴールを決めたことは讃えるべきだが、僕らが得たチャンスの数にしては物足りない。だが今日は初戦だ。僕らの経験不足を認めざるを得ないが、今日のようなビックゲームでの経験は僕らにとってはすごく力になるはずだ」