Kリーグのチケットホルダーは割引に
韓国代表のソン・フンミン【写真：Getty Images】
いずれにせよKFAはこの実態を事前に把握していた。そしてとてもクレバーな対応案を出した。ソウルワールドカップスタジアムをホームとして使うFCソウルのシーズンチケットホルダーや前週のKリーグ試合チケットを持つ人には現場販売のチケットを40％と大幅に割引したのだ。
今までの国際Aマッチでは前代未聞の企画。奇策である。高額の前売り券を買えなかった国内サッカーファンの負担を軽減できるいい案だ。アン氏は「もともと現場販売用のチケットは数千枚残している。オンラインで売れ残ったチケットが自然とオフライン販売となる」とKリーグとのコラボレーション企画に期待を寄せた。
そしてこの企画は成功。赤いユニフォームを着た韓国ファンが試合開始前からスタジアムの雰囲気を主導した（この日の来場者数は51,238名だった）。
また予想を大きく下回ったものの、スタジアムに訪れた8千人強の中国サポーターも力を振り絞り声援を送った。第一戦を制したい気持ちはどの国も同じ。今日の勝利がワールドカップ進出への追い風となることを皆が意識しているかのように、盛り上がった雰囲気に包まれた中でホイッスルが吹かれた。
韓国のウリ・シュティーリケ監督は前・現Jリーガーや欧州組を先発に起用した。GKにはチョン・ソンリョン（川崎）、4バックにはチャン・ヒョンス（元FC東京）、オ・ジェソク（G大阪）が入り、GKとDFの人中3人がJ経験者。MFにはハン・グギョン（元湘南）も名を連ねる。
基本フォーメーションは4-2-3-1だったが、トップの選手がやや下がり気味のゼロトップ戦術。ソン・フンミン（トッテナム）、イ・チョンヨン（クリスタル・パレス）、キ・ソンヨン（スウォンジー）のプレミアリーグ組に宇佐美貴史のチームメート、ク・ジャチョルやチ・ドンウォン（アウクスブルク）のドイツ勢が加わった。今夏アウグスブルクから中国に移籍したホン・ジョンホも先発。Kリーグ勢はキム・キヒ（全北）一人のみ。このメンバーが、現在のベストメンバーであることは間違いない。
