「勝負弱い集団」という本田の指摘
まるで2014年ブラジルW杯初戦・コートジボワール(レシフェ)の悪夢の再現かと言いたくなるような試合展開だった。9月1日の2018年ロシアW杯アジア最終予選初戦・UAE戦(埼玉)は、あの時と同じように前半早い時間帯の本田圭佑(ミラン)の先制弾から始まった。この1点を取った時には、誰もが「イケる」と思ったに違いない。
だが、カタール人主審の不可解判定に足を引っ張られ、日本は前半のうちにFKから同点に追いつかれてしまう。後半頭にも大島僚太(川崎)のPK献上によって2点目を失って、最悪の黒星スタートを強いられた。
「厳しい予選で2失点してしまったのが、一番きつかった」と岡崎慎司(レスター)も語っていたが、どんな苦しい状況でも相手につけ入るスキだけは与えてはいけなかった。レフェリングが確かに納得できないが、自分たちがミスをしなければ2失点もなかったはずだ。
攻撃陣もシュート22本を放ちながら、FKから1点しか奪えなかった。こうした稚拙な戦いぶりを見ると、今の日本代表は本田がズバリ指摘した通り、「勝負弱い集団」ということになってしまうのだろう。
「今の日本は、数値上はすごくいい戦力だと思う。でも試合に勝つことは、数値で測れないものだったりする。そこが欠けているというのは間違いない。やはりこの2~3年、それが結果として表れているわけですよね。
僕はもちろん自分の責任だと思っているし、受け止めている。こういった相手に勝ち切れない理由が何なのか……。戦い方どうこうももちろんあるけど、それ以前に根本的な気合や根性みたいなもの。一歩危ないところで相手に足出してつぶすとか、そんな負けず嫌いみたいなものが、地味に足りひんのかな」と本田は歯に衣着せぬ物言いでチームに苦言を呈していた。
そう思わせる部分は、UAE戦では確かに何度か見受けられた。