射程距離に置かれている日本
チャンスもあったし、判定にも疑問はある。しかし、負けるべくして負けたとは言わないまでも、当然勝てる試合を落としたわけでもない。多少の不運もあり、接戦で競り負けた試合だった。近年のアジアでの戦いでは、不運に見舞われても何とか結果を出すことはできた。それだけの実力差があったからだ。
だが、日本はすでにライバルの射程距離に置かれている。
UAEとの差はアジアカップのときよりも縮まった。あのときほど日本はUAEを圧倒できていない。FKとPK以外にもチャンスを作られていた。日本は優勢だったが、UAEにも勝つチャンスは十分で、実際に彼らは勝利した。
準備の差、コンディションの差もあった。難しい試合になることは、監督にも選手にもわかっていたと思う。それだけに、もう少し「慎重に」戦うべきだった。
11分に清武のFKから本田が先制、理想的なスタートである。その後、たたみかけるように2点目を狙いにいったが、むしろゲームをコントロールしたほうがよかった。アジアカップで35本もシュートを打って1点しかとれなかったことを思い出すべきだったかもしれない。
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