オマルを補佐しながら時に輝きを放つ“UAEの三銃士”
フリーダムと言っても、周りの選手は彼に合わせて動くので、基本的なバランスは取れている。例えばオマルが右ワイドの引いた位置でボールを持つと、右サイドバックのハイカルはオマルの外側を追い越して斜め前に上がる。ボランチの1人がオマルのすぐ内側でサポートするといった具合だ。
つまり、オマルが4-4-2の右サイドハーフに配置されるにせよ、左にせよ、また4-2-3-1のトップ下にせよ、そのポジションと重なる選手がマッチアップでやられなければ万事解決ということではなく、全体をコンパクトに維持してプレッシャーをかけながら、オマルのポジショニングに応じて柔軟に受け渡していく必要がある。
もちろん、ハリルホジッチ監督や日本代表の選手たちもそのことは良く分かっている。長谷部が「臨機応変に戦いたい」と強調していたことが、そのことを表している。UAEの攻撃エリア、オマルのポジションに応じて左右のサイドバック、ボランチ、時には左右のウイングが適宜、自由を与えないための守備をしていく。それらを高い集中力を持ってやり続けることが勝負に直結するはずだ。
さて、オマルが攻撃の中心であることは誰もが認識する通りだが、それを前提にしても日本が気をつけるべき選手が、同国の関係者やメディアから“黄金世代”とも呼ばれる選手らがUAEに存在する。
その1人はメンバー発表の時にハリルホジッチ監督も名前をあげていたFWのアリ・マブフートだが、さらに2人の危険な選手をあげたい。アフメド・ハリルとアメル・アブドゥラフマンだ。彼らはオマルを補佐しながら時に輝きを放つ、言わば“UAEの三銃士”だ。
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