「UAEは守備に隙」。“司令塔”としての自信
「セビージャでは4-3-3、4-4-2、3-5-2、3-6-1など、たくさんのフォーメーションをやっているんで、すごいやり甲斐はありますよ。自分の役割が変わる中、バランス見つつ、タイミングあれば攻撃することを今は繰り返していますけどね」と本人は猫の目のように変わる複雑怪奇な戦術に必死で食らいついている。
その言葉通り、エスパニョール戦での右サイドアタッカー、ビジャレアル戦の中央寄りのポジションも何とかやりこなしていた。新天地に赴いてまだ2ヶ月も経っていないが、清武のプレーの幅が広がったのは紛れもない事実。だからこそ、彼には“日本代表新司令塔”担う実力が徐々についてきたと言える。
「UAEはいい選手がいますけど、守備面ではすごくスペースもある。前半は難しい戦いになるかもしれないけど、後半はスペースも空いてくると思う。我慢の試合になると思いますけど、早い時間に点が欲しい」
清武が最終予選初戦のゲームプランを語った通り、相手の出鼻をくじくような戦いができれば、2015年アジアカップ(オーストラリア)と同じ轍を踏むことはない。1年半前の敗戦を悲痛な思いでベンチから眺めていた男は今回、自らイニシアティブを取って、チームをリベンジへと導いていく。
W杯へ向けた重要な一戦で、それだけの大きな可能性と成長を示すことができるか。“新司令塔”に懸かる期待は大きい。
(取材・文:元川悦子)
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