本文は中国語サイト(goo.gl/Wmy60M)を翻訳したものです。2015年2月17日に、本方案が公布されたと同時にその背景とともに記事として掲載されました。注は、日本の読者の為に翻訳者が追加しています。
本訳文は多くの人々に中国サッカーの中長期計画を理解していただくことを目的に、訳者の解釈に基づき日本語に翻訳したものです。引用・転載は自由ですが、その場合は出典の明記をお願いします。訳文の内容が正しいかどうかについて何等法的責任は持ちませんので、法的に正しい内容が必要な場合はあくまで中国語の原文(それぞれURL:を示してあります)を参照ください。
≪解説≫
公布の背景
1992年6月の「紅山口会議」(※1)にて中国サッカーのプロ化という改革の方向性が確立した。中国サッカーは中国の体育界において最も早くプロ化が進められた競技である。1994年、プロ化が始まり、甲Aリーグが異様なほどに盛り、中国サッカーは一気に満開となった。しかしながら、中国サッカーの基盤は弱く、社会全体も未成熟で、改革も不十分であり、関連する諸制度も整わず、その後サッカーの発展は迷路に入り込み、「甲B5鼠」(※2)や「万達離脱」(※3)といった事件が起きてしまった。2002年のワールドカップへの出場は中国サッカーに短い栄光をたらしたが、ワールドカップでは1勝もあげることが出来ず、勝ち点も得点もあげられず、中国サッカーは再び元の位置に戻っただけでは無く、急速な下降をはじめ、中国社会におけるサッカーの改革を求める声は日増しに高くなっていた。しかしながら、中国サッカーは今日に至るまで実質的な改革を進めることは出来なかった。
その後2009年に至るまで、「八百長と賭博」といった暗黒面が浮かんでは消え、サッカー界のマネージメントは混乱し、スタジアムにおける不正行為等の厳重な問題が白日の下にさらされた。更に代表と世界との力の差はますます広がり、社会におけるサッカーに対する批判・不満は絶えることが無く、サッカー界の徹底的な改革を必要とする状況を生み出していた。2013年6月15日、代表はタイ・ユース代表とのフレンドリーマッチで5:1と惨敗した。この事が、とうとう中国サッカーの大手術をしなければいけないきっかけとなった。
共産党の第18大会(※4)以来、政府は各分野において改革の施策を繰り出してきたが、改革の全体像の中で、「体育」(※5)ついては共産党中央と国務院により重要課題として認識され、サッカーを振興することで「体育運動」を発展させ、「体育強国」を建設するという重要任務が日程に上ることとなった。
習近平共産党総書記は、サッカーの改革と発展に対して高い関心を持っている。
――2013年6月、習近平はメキシコの参議院で「共同して発展し、ともに素晴らしい未来をきりひらこう」という重要な演説をおこなった際に、私は一人のサッカーファンであると述べた。中国サッカーはずっととても努力してきたが、現時点ではまだ1回しかワールドカップに出場したことしかないと。
――2013年10月、習近平はインドネシアとマレーシアの記者連合訪問団のインタビューを受けた。彼はその年の10月に予定されていた中国とインドネシアのアジアカップ2015の予選の予想に対して触れたとき、サッカーはチームワークが求められるチーム競技で有り、個人の能力はもちろん重要だが、チームとしての結束が最終的に試合を決める重要な要素とである。この点が私がサッカーを好む理由の一つである。私はどちらのチームも近い将来にワールドカップの本大会に出場できるようになることを希望すると述べた。
――2014年3月、習近平はベルリンにおいてドイツでトレーニング中の中国少年チームのメンバーを引見した。
――2015年2月27日に開催された第10回中央全面深化改革領導小組会議において、習近平は「中国足球改革総体方案」を審議の上で承認した。会議において、中華民族の偉大な復興という中国の夢と、中国が体育強国になるという夢は相互に関係していると述べ、サッカーの発展振興は体育強国を建設する為に必然的な要求で有り、全国人民が心から期待していることが強調された。
2014年1月、中国共産党中央政治局員・国務院副総理の劉延東が、新たに組成された第一回中国サッカー協会(※6)の執行委員とサッカー界代表との座談会で、中国サッカー協会の新たなスタートに当たって、共産党の第十八回大会と十八届三中全会(※7)の精神を誠実に貫徹し、習近平総書記の体育事業に対する一連の講話の精神を深く学習し、共通の認識を固め、自信を持って、重荷をいとわず、中国サッカー振興のための実際の行動を持って体育強国を建設し、中国の夢の実現のために貢献をするように強調した。
2014年10月に国務院から「体育産業の発展を加速し体育消費を促進するための若干の意見」が提出され、ポテンシャルのある産業を育て、2025年までに体育産業の総規模を5兆元産業(※8)にするように要求した。サッカー、バスケット、バレーを、広く普及し注目度も高く、市場の発展余地が大きい三大チーム競技として取り上げ、産業の更なる発展を推し進めること、相対的に立ち後れているサッカーについては中長期の発展計画とグランドの建設計画を制定し、学校サッカーと一般社会人サッカーを強力に推し進めることが求められた。
2014年11月、国務院は体育産業の発展を加速し体育消費を促進する条例を発布した。
2015年1月26日 国務院は中国サッカー改革総合方案の審議を行って承認し、中央深化改革領導小組に対して批准することを求めた。
2015年2月27日 中央全面深化改革小組は中国サッカー改革総合計画を承認した。
全体目標
短期 サッカーの管理体制を合理的なものとし、サッカーの中長期発展計画を制定し、中国の特色を持つサッカー管理モデルを創出する。
中期 青少年のサッカー人口を大幅に増加し、プロフェッショナルリーグ組織とゲームのレベルをアジアで一流のものとし、男子代表はアジアにおける強豪となり、女子代表は世界の強豪に名を連ねる。
長期 中国でワールドカップを開催し、男子代表はワールドカップとオリンピックに出場する。
方案の要旨
中国サッカーの改革と発展は、更なるサッカー管理体制の改革、「政治の社会の分離、政治と企業の分離、管理と遂行の分離」を推し進め、体育における協会と行政機関の癒着した構造を絶つ事を加速する内容を含んでいる。サッカー協会という指導組織について「方案」は行政組織としての等級(※9)を設けない事を明確に規定しており、国務院の体育行政部門の代表と、有名なサッカー人士、社会人士、及び専門家の代表によって構成され、指導機関としてのサッカー協会の専業化を保証するとしている。
中国サッカー発展基金会を創設し、各企業や機関、社会勢力や個人に対して寄付を奨励する。その他に、毎年スポーツくじの公益金収入の増加部分の中から一定の比率を中国サッカー発展基金会の資金として提供する。同時に、中国プロサッカーリーグを対象とするスポーツくじの発行に対する研究を積極的に推進する。
独立社団法人の資格を持つプロサッカーリーグ理事会を新たに設置し、プロリーグを組織し管理する責任を持たせ、超級。甲級、乙級からなるリーグ体制を合理的に作り上げる。中国サッカー協会はリーグ理事会に対して監督を行い、リーグ理事会に代表を派遣する。リーグ理事会もその代表を中国サッカー協会に派遣し、関連する問題の議論や政策決定に参与する。
地方政府は、優秀なクラブをサッカーのインフラがよく、サッカーの発展において代表的なモデルとなり得る比較的安定した都市に招致し、クラブが投資者の変更により頻繁に移転し、そのホームタウンが不安定な状況になることを避けるような条件を整える。
各地の小中学校は、サッカーを体育の授業に取り入れ、学習時間の比重を増大させる。現在全国にサッカーを校技とする小中学校が5000校あまりある基礎の上に、2020年までにこれを2万カ所とし、2025年までには5万カ所とし、その中で女子サッカーを行う学校が一定の比率を占めるようにする。
サッカースタジアムを都市化と新農村建設の全体計画の一部として取り入れ、具体的な要求を明確にし、各レベルの政府組織により実施する。同時に、学校のグランドの課外時間における廉価或いは無料での社会開放を推し進め、学校と社会がグランドを共同して利用するシステムを作り上げる。
社会の反応
この方案が提出されたことで、中国のサッカー産業はこの4-5年で急速な発展をする望みが生まれた。但し、方案でも指摘されているように、サッカー産業の発展には「必ず民間資本との協力」が必要で有り、政府による行政的手法に頼ってはいけない。
サッカーは、体育領域におけるトップ産業であり、ワールドカップは消費を牽引し、オリンピックと肩を並べている。政府の改革深化チームが、特定の競技を取り上げて改革法案を制定したことは、非常に希なことで有り、これはサッカーがあらゆるスポーツにおいて占める位置の重要性を説明している。(中国経済体制改革研究会副会長、京張冬季オリンピック研究センター主任 陳剣)
中国の現在のサッカーのコスト(プレーヤーの報酬、移籍金等)は既に世界のあらゆるリーグのなかで第4位になっている。これは、現在の中国サッカーの実力とは釣り合っていない。「どのようにしてこの支出を合理的で有効なものにするか。これは我々の管理体制に対するとても大きなチャレンジである」(全国政教委員 姚明 ※10)
サッカー改革に対して期待は高まり、現在中国サッカーはその発展のために素晴らしい機会を迎えつつあり、中国サッカーは将来黄金期を迎えるはずだ。上部から下された支援はとても強大であり、特にその遂行面において、各方面の資源をうまくサッカーに利用できることは、以前はサッカー活動遂行面で多くの制限があったことと比べると、現在は資源利用の筋道をつけることが比較的容易になったといえる。(陝西省志丹県サッカー協会主席 丁常保)
≪以下本文≫
中国足球改革発展総体スキーム(全文訳)
第18回共産党全国代表大会以降、習近平同志を総書記とした党中央はサッカーの振興を、体育運動の発展と体育強国を建設するという重要任務の具体的課題として取り上げた。習近平総書記は何度も我が国のサッカー事業を向上させるという強い決意を持つべきだとの指示を行い、李克強総理はサッカー等の体育事業と体育産業に関する業務をとても重視しており、国務院も各関連部門に関連する問題の検討をさせ、我が国のサッカー改革発展は未曾有の好機を迎えている。
サッカーは広汎な社会的影響力を持っており、幅広い群衆からの深い支持を受けている。サッカーの発展と振興は、国民の身体素質を高め、文化生活を豊かにし、愛国主義と集団主義の精神を発揚し、体育文化を育み、体育産業を発展させ、体育強国を実現するという夢に対して重要な意義を持ち、経済・社会・文化の建設においても積極的な作用を持つ。我が国のサッカーはかつてアジアにおいては良い成績を残し、20世紀の90年代初期からはプロサッカーの発展を模索し始め、これらの改革は一度は活力をもたらした。しかしながらサッカーの価値と規律に対する認識が不足しており、目の前の利益を追うことを重視し、組織管理体制がたち遅れており、人材が足りず、ガバナンスを失い、サッカーの発展における基礎が薄弱な状況を生み、産業のモラルと競技の秩序の混乱を生み、競技の成績も下降を続けた。
2009年以来、八百長に対する重点的な取り締まりと規制や、学校におけるサッカーの普及等の措置が、サッカー事業の趨勢に好転をもたらし、あらたなピークをもたらした。しかしながら、世界とアジアにおけるサッカー発展の速度と比べると、我が国のサッカーは未だにあらゆる面で立ち後れている。サッカーを振興させることは、体育強国を建設するために必要なことで有り、人民大衆が切望していることでもある。しっかりと、ぐらつかずに改革を推進し、サッカーを振興し、これによって体育管理体制の改革を深化する突破口とする。これは体育の戦線において、党の一八大と十八届の二中、三中、四中全会の精神を徹底的に貫徹することで有り、人民大衆の新たな期待に応え、中国の体育大国の姿を向上する事で有り、体育強国の夢を実現するための具体的な行動である。この事を貫徹するために、党中央と国務院の戦略配置を徹底的に貫徹するため、特にこの方案を制定する。
一.全体要求
(1)指導思想:
鄧小平理論と重要思想としての「三つの代表」と科学発展観を指導的な思想として、党の一八大と十八届の二中、三中、四中全会の精神を徹底的かつ全面的に貫徹し、習近平総書記の一連の重要講話の精神を深く学んで貫徹し、サッカーの改革発展を体育強国を建設するための重要な措置として、問題点と向き合い、体制を改革・創新し、サッカー発展の規律を守り、中華体育精神を発揚し、思想傾向と実行部門の強化を行い、専門的で効率の高い、システム化された、民主的・開放的な、臨機応変に対応し、健全な法制を持ち、体制機構の実行力を補償し、我が国のサッカー事業の普段の発展と常に新たな段階へ推し進めるための努力をする。
(2)基本原則:
――自国の現状と国際的な経験とを結合させる。我が国のサッカーの現状からスタートし、サッカー先進国の経験を学習して参考にし、中国の特色を持ったサッカーの改革発展の新たな道を求め、サッカーの社会的価値とその効能を実現させる。
――長期的な視点と着実な基礎を結合する。競技トップレベルのデザインを強化し、戦略的に実施する。実際のサッカーの発展人口を基礎条件に、設備の基礎、管理の基礎、文化の基礎を持続的に蓄え、長期的に取り組む
――問題とその対処法に対して新たなアプローチを行う。思想を解放し、観念を転換し、要素の組み合わせを最適化し、発展のための土台を創り出す。規律を尊重し、当面と長期的、重点と一般、規模と効率といった関係をうまく処理し、科学的な管理を強化し、発展における障壁を壊す。
――国の体制と市場のシステムを結合させる。社会主義制度の有利な点を発揮し、資源を整え、力を合わせて、十分市場システムの作用を発揮し、活力を激発させ、公平で信頼出来る環境を創造し、平等な競争環境作りを奨励し保護する。
サッカー競技と全国民の健康実現とを結合する。普及と強化をともにレベルアップする。大衆サッカーと競技サッカーを互いに促進し、サッカー競技の協調的な発展を推し進め、全面的に進歩させ、全国民の健康を推し進め、人民の体質を強化する。
(3)主要目標
サッカー運動を経済社会発展計画の一部とするために、3段階の戦略を実行する。
短期目標:
サッカー発展の環境と雰囲気を改善する。サッカーの管理体制を合理的なものとし、サッカーの中長期発展計画を制定し、中国の特色を持つサッカー管理モデルを創出する。サッカー事業とサッカー産業が協調して発展する構造を形成する。
中期目標:
青少年のサッカー人口を大幅に増加し、プロフェッショナルリーグ組織とゲームのレベルをアジアで一流のものとし、男子代表はアジアにおける強豪となり、女子代表は世界の強豪に名を連ねる。
長期目標:
中国サッカーの全面発展を実現し、サッカーを大衆が普遍的に参加する体育運動に育てる。各社会で健康なサッカー文化を形成する。プロリーグ組織とその競技のレベルを世界のトップグループに到達させ、FIFA男子ワールドカップを積極的に招致し、男子代表の国際競争力を大幅に向上させ、世界の強豪グループ入りを実現する。
二.中国サッカー協会を調整・改革する
(4)その機能と責任を明確にする。
中国サッカー協会を公益性と広範な代表性を持ち、専門性と権威性を備える全国サッカー運動領域における社団法人として位置づける。我が国を代表してFIFAに加盟する唯一の合法的な組織であり、全国のサッカー関係者の力を結びつけて団結させ、サッカー運動の普及と、人材育成、産業の標準を設定し、整合性のとれたプロリーグ体系を整え、国家代表を組成し管理する責任を負う。
(5)中国サッカー協会を調整し、再建する
政府は社会組織から分離し、権限と責任を明確にし、法律に基づく自主運営の原則に基づいて、中国サッカー協会を整頓し、中国サッカー協会と国家体育総局サッカー運動管理センターの二つの看板を、馬と騎手のように一体化した機構に改革する。中国サッカー協会は体育総局との関係を整理し、その内部に組織構造決定、業務計画の策定、財務と給与管理の権限、人事管理の権限、関連国際部門との交流等の各方面の自主権を持つようにする。
(6)指導機構を最適化する
中国サッカー協会には行政組織としての等級は設定せずに、その指導機構は広範な代表性と専門性を体現し、国務院体育行政部門、地方及び各産業のサッカー協会、プロサッカーリーグ機構、著名なサッカーの専門家、一般社会や専門家の代表等により組成される。
(7)内部の管理機構を健全化する
中国サッカー協会内部のガバナンス機構を完成させて、執行プロセスと業務規則、政策決定権、執行権と監督権を確立し、相互制約と相互協調の仕組みを作る。自己建設を強化し、サッカー、体育管理、経済、法律、国際コミュニケーション専門機関などの領域の優秀な人材を広く集め、業務体制を充実し整え、メンバーの素養を高める。業界の自主規制を強化し、力を集中してサッカー領域に存在する問題を解決し、サービス意識を高め、官僚化の傾向を克服する。中国サッカー協会は社団法人制度に基づき運営され、経営情報を公開し、会計監査と監督を受ける。
(8)協会の管理体制の健全化
中国サッカー協会の会員は地域に立脚し、広汎な産業界をカバーすべきである。地方と産業別のサッカー協会は中国サッカー協会の管理体制の改善を参考にして自らを組織化し、中国サッカー協会の規則に従い、その会員として中国サッカー協会に加わり、中国サッカー協会の行政指導と管理を受ける。地方と産業別のサッカー協会はその地域と産業の会員から構成され、大会開催、育成、各種のサッカーの活動を展開し、宣伝する等の責任を持つ。今後の努力によって、徐々に全国をカバーし、組織を完全にし、管理の効率を高め、協調を力として、現代サッカーの管理と運営に必要とされる協会の管理体系に適合させる。
(9)党の指導を強化する
各レベルのサッカー協会における党の組織機構を健全化し、党が幹部を管理するという原則と人材政策にのっとり、協会における思想政治工作と幹部の日常管理を強化する。中国サッカー協会は党委員会を設立し、体育局の党組織の指導を受ける。
三.プロサッカークラブの建設と運営モデルを改革・改善する
(10)クラブの健康的で安定的な発展を促進する
リーグ加入条件を厳格にし、プロサッカークラブの管理を規範化し、プロサッカーリーグにおける主体的地位と重要な役割を十分に発揮させる。クラブは自ら自立することを重視すべきであり、健全な規則と制度を持ち、自立的な管理を強化し、業界のルールを守り、社会的な責任を積極的に果たし、社会による監査を受け入れる。地方政府がこの為の条件を整えることを支持し、総体的に安定してサッカーのレベルも良い優秀なクラブを育成し、サッカーの発展における代表的なモデルとなる都市を導き、クラブの投資者が頻繁に替わり、フランチャイズを移し、安定した拠点を築けないという現象を避け、安定的なサポーター集団と都市のサッカー文化を積極的に育成する。
(11)クラブの資本構成を最適化する
政府、企業、個人による多元的な投資を行い、クラブの本拠地がある地方政府がスタジアム等の資産を提供して株主となることを支持し、合理的な投資者構成を形成し、クラブの地域化を推進し、条件の整ったクラブから徐々にクラブ名称の非企業化を実現することを支持する。クラブの法人としての管理機構を完全なものとし、現代的な企業制度としての建設を進め、長期的展望に立って、系統的な企画を行い、100年の歴史を持つクラブを作り上げる努力をする。
(12)クラブにおける人材の合理的な構成を推進する
クラブの人材招聘と報酬の管理規定を制定し、チームとプレーヤーの給与の総額管理の手法を探索し、プレーヤー報酬の暴騰、プレーヤーの無秩序な争奪といった問題を防ぐ有効な方法を検討する。高額の外国籍プレーヤーの制限といった関連する政策と規制の導入について研究し、外国人助っ人と自国のプレーヤーの育成の関係をうまく処理する。クラブの労働契約の管理を強化し、裏契約といった違法行為を厳しく取り締まり、また給与の不払いを糺す。クラブのプレーヤーの移籍金の政策を調整し、クラブの負担を軽減する。
四.サッカー競技大会の体系とプロリーグの体制を改善する
(13)競技大会の体系の設計を強化する
競技大会の構成を向上させ、大会の規模を拡大し、大会の種類を増やし、一歩ずつ安定した、レベルが明確に分かれた、その上下関係が明確で、あらゆる地方を含む構成とする。プロリーグの大会と、地域の大会、青少年の大会、学校の大会等を有機的に結び付け、競技構造の科学化を実現する。一歩ずつ健全な青少年のリーグ競技の体系を整える。業界、社区(地域)、企業、軍、シニア、フットサル、ビーチサッカー等の大会を唱導し組織する。
(14)プロリーグの理事会を創設することを検討する
独立社団法人の資格を持ったプロリーグの理事会を創設する。プロリーグの組織と管理に責任を持ち、超級、甲級、乙級のリーグ体系を合理的に構築する。中国サッカー協会は、その基本政策制度によるクラブの加入を審査し、紀律と仲裁、重大事項の決定等について理事会に対して監督を行い、理事会に対してメンバーを派遣する。理事会はその代表を中国サッカー協会に派遣し、関係する問題の討議と決定に参与する。
(15)大会の賞金制度をよりよいものにする
サッカーの特徴に合った、他の体育競技とは異なる賞金制度を制定する。
(16)競技の秩序を守る
競技が公平に行わる事を堅持し、良好な競技態度を樹立する。大会組織機構と体育行政部門は、公安機関とともに管理を強化し、各々の役割に基づいて安全保障の処置をよりよいものにする。公安機関はサッカー大会の安全と秩序の管轄に責任を持ち、試合現場と周辺地区の治安と秩序の維持を行う組織を展開し、法律に基づいて違法行為や犯罪に打撃を与える。サポーターに礼儀正しい観戦を促し、法を守らせる。
(17)産業としての管理を強化する
審判員の公正なジャッジを向上させ、コーチと選手が法律を順守する規律を確立する。
サッカー業界における法律違反の行為を厳格に防ぎ、慎重に調査して処理する。規律違反への処罰制度、産業としての救済の制度とシステムをより良いものにする。サッカーの管理部門と検事部門との協力関係を強化し、違法行為の摘発・報告制度からなる健全で緊密な制度を作り、有効に犯罪を阻止し、摘発し、八百長賭博等の違反行為に確実に打撃を与える。
(18) 国際大会との交流を促進する
中国のサッカーが国際大会に参加することを推し進め、交流を増やし、レベルを高める。FIFAワールドカップの開催地申請にかかわる業務を研究・推進する。
五.学校におけるサッカーの改革と推進
(19)サッカーが人を育てるという効果を発揮させる
学校体育の変革を深化させ、全人格的な人材の育成をする。学校におけるサッカーをサッカー人口拡大のきっかけとし、サッカー人材の基盤とし、学生の総合的な素養を高め、青少年の健康な成長の基礎プロジェクトとして促進する。家庭と社会からの承認と支持を得るようにし、より多くの青少年学生がサッカーに夢中になり、サッカーを楽しみ、サッカー運動に参加する機会を持ち、社会の規則と道徳規範を身に着ける有効な方法として適用する。
(20)学校サッカーの普及を推進する
各地の高・中・小学校はサッカーを体育課の学習内容として含め、学習の比重を高める。モデル校から普及させていく方式を用い、まず条件がよく積極的な学校を重点的にサポートし、全国の小・中・高校においてこの様なサッカーモデル校が現在5000校あるという基礎の上に、2020年には2万校に、2025年には5万校に、その中で女子サッカーを行う学校も一定の比率を占めるようにする。保険制度を整え、学校サッカーにおける安全保障のレベルを高め、学生や親や学校の後顧の憂いを除く。
(21)文化面での学習とサッカーの技能をともに発展させる
サッカーの優秀な学生の学習管理を強化し、試験による選抜をよりよいものにする。学生が長期間積極的にサッカーの学習と訓練に参加することをサポートする。サッカーが優秀な学生に対して、進学時期においては一定の範囲内で合理的な調整を行う事を認め、優れた特長を発展させる環境を提供する。
(22)青少年のサッカー人材の規模の拡大を推進する
小・中・高・大学のサッカーチームの設立を推し進め、早急に学校にサッカーチームを持つことが当たり前という環境をつくり、小・中・高・大の4つのレベルの大会体系を縦横に貫通させ、中・高のサッカー大会の成績によりその学校における体育実績の評価につなげる体系を探索する。
(23)コーチング資格を充実させる
現有の専任あるいは兼任のサッカー教師を訓練したり、外部より招聘したりする等の各種の方法を採用して、サッカーコーチのレベルを向上させ、海外の高いレベルのサッカーコーチの招聘を支持する。2020年までに、5万人の学校サッカーの専任・兼任サッカー教師への一通りの訓練を完成させる。政策上の処置を施し、専門教育を強化し、現役を引退したプレーヤーを体育教師とするための条件を創造する。
六.社会人サッカーを発展させる
(24)サッカーの普及を推し進める
「人本位」を堅持し、一般競技者によるサッカーの発展の加速を推し進める。サッカー競技人口を絶え間なく拡大する。行政単位、事業単位、大衆団体、軍と企業はそれぞれあるいは協力しながらサッカーチームを組織し、豊富で多彩な一般競技者によるサッカー活動を展開する。経費、グランド、時間、競技大会、コーチングといった点に重点を置いて一般競技者によるサッカーを発展させる。労働組合、共産党青年団、婦人連合等の大衆団体はそれぞれの特長を生かして、一般競技者のサッカーの発展を押し進める。
(25)一般社会人サッカーとプロサッカーが互いに発展を促し合うようにする
一般競技者によるサッカー人口の拡大を通じて、プレーのレベルを不断に向上させ、プロサッカー発展の基礎となる大衆と人材の基礎をしっかりとさせる。プロサッカーの発展を加速することによって、一般競技者によるサッカーの普及とレベルアップを促進する。
七.サッカーの専門的な人材の育成と発展の方式を改善する
(26)サッカープレーヤーが成長するルートと空間を拡張する
育成を増大・拡大させ、選出のメカニズムをよりよいものとし、複数のルートによる優秀なサッカープレーヤーを育て上げる。学校サッカーと一般競技者サッカーの人材育成意識を強化し、プロサッカーの選手発掘対象を広げ、優秀な苗が学校サッカーや、一般競技者サッカーからプロサッカーへと滞りなく成長できる道筋を作り上げる。体育と教育の結合、文化教育を強化し、意志の集中と人格の薫陶をよりよく行い、サッカープレーヤーの全面的な発展を促進する。
サッカークラブ、企業およびその他の社会団体が所属するプロプレーヤーやユースプレーヤーをサッカーが発達している国家に派遣してトレーニングを受けることを奨励し、海外のレベルの高いプロリーグでプレーできるように努力する。
(27)サッカーに関わる専門家の育成を強化する
レベル・専門内容に基づいて管理するという原則に則り、国家・区域・行政・プロフェッショナル組織・その他社会組織等の多レベル、多次元の育成の仕組みを作り上げ、サッカーコーチ、審判、講師(※11)等の専門的な人材を育成する。体育専門学校、体育研究所等をサッカー理論研究や専門的人材の育成においてその役割を十分に発揮させる。国際交流を強化し、高い水準の外国人講師を招いて、我が国のコーチ、審判、講師等に大規模に訓練を実施する。
(28)サッカーのマネージメント人材を強化する
各レベルのサッカー協会、クラブ等の専門的な能力を強大にし、そのスタッフの素質と仕事のレベルを高める。現代サッカーマネージメントに必要な管理に適応した専門化を行い、国際的な管理ができるようにする。
(29)サッカー専門学院と学校を設立する
サッカー人材育成の需要に応えて、条件を備えた本科の学校にサッカー学院の設立を委託する。文化教育とサッカー運動を緊密に融合させた新しい型のサッカー学校を目指して、積極的につくりあげる。
(30)サッカーレーヤの引退後の進路を準備する
市場メカニズムと政策による誘導を結びつけて、サッカープレーヤーの再就職と次の発展のためのプラットフォームを立ち上げ、必要なトレーニングと試験を通じて、サッカーコーチや、審判、講師あるいは企業や軍における大衆サッカー活動の中心となれるようにするとともに、サッカー協会やクラブの管理やサービス業務を担えるようにする。
八.国家代表チームの改革発展を押し進める
(31)代表チームを心を込めて鍛え上げる
制度の優れている点を発揮し、組織のリーダーを強化し、祖国に対する栄誉感と社会に対する責任感を増強し、中華体育精神を発露させ、技術に優れ、不屈の精神を持ち、 激戦を勝ち抜き、国のために光栄を勝ち取る代表チームを作り上げ、ずば抜けて優秀なパーフォーマンスによって人民大衆の心を奮い立たせ、青少年の熱情をほとばしらせ、全国のサッカーの発展を促進する。改革に力を入れ、プレーヤーの心身の特質と現代サッカーの発展に符合する技術的方向性にあった路線を形成し、着実に国家チームのレベルを上げていく。
(32)代表の選出システムをよりよいものにする
現実に向き合い、継続を意識し、技術と態度をともに重視し、オープンで、平等で、競争による方法で、国のために力を尽くす強い気持ちを持ち、意志もクウォリティーも一流で優秀なプレーヤーを代表に優先して選抜する。代表チームのメンバーは、プロフェッショナルチームから選び出し、ダイナミックな選抜システムを通じて、どのようなタイミングであれ、代表チームを編成するに当たっては、その時のリーグ戦の状況下において技術と戦術能力を持つ、最も良いチームを協調して組成する。代表チームのバックアップ人材も強化し、青少年サッカーにおいてタレントを発掘するシステムをより良いものにし、選ばれた青少年に対して長期的なスパンでのデーターベースを作り上げ、ダイナミックなメンバーリストを準備する。
(33)保障サービス・サポート機能を高める
代表チームの予算を増やし、活動拠点、ロジスティックス、情報収集といった活動を保障し、サービスのレベルを高める。2箇所の国家サッカートレーニングセンターを新設し、代表チームが異なる季節でも試合や訓練を行えるようにする。国内外の高レベルの専門家を招聘し、サッカー理論、技術と戦術、コンディショニングとリハビリテーション、チームコントロール等の研究に取り組み、科学研究と代表チームの指導に対して支援の役割を発揮させる。
(34)コーチングスタッフの強化
厳格な規範に基づき代表チームのコーチと管理チームの選定を行う。評価メカニズムを確立し、契約に基づく管理を行う。ヘッドコーチの責任制を実行し、コーチングチームと、管理サポートチームに対して任期と目標に基づく評価をおこない、責任と権限を明確にし、目標を達成させるようにする。
(35)代表チームとクラブの求めに対して統一的な計画を立てる
プロフェッショナルサッカーの規律による代表チームの作業計画と管理体系を、我が国の国情に合う形で科学的に制定する。代表チームとプロフェッショナルリーグ及びその他各レベルの競技大会との協力体制を改善し、代表チームのスケジュールと国内の競技大会のスケジュールを総合的に把握する。クラブは大局的な観点から、代表チームの建設に全面的な支持を行う。
九.サッカートレーニングセンターの建設と管理
(36)サッカーグランドの数を増やす
全国サッカーグランド建設計画の制定を検討する。サッカーグランドの建設を都市化と新農村建設の総合計画の中に含め、具体的な要求を明確にし、各レベルの政府組織を通じて実施する。グランド建設に適した場所の選定に当たっては、都市と農村における荒れ地、未利用地、公園、グリーンベルト、屋上、防災プロジェクト等を十分利用し、標準規格には拘らずにまずは使い勝手の良い多くのグランドを建設する。学校サッカー活動の要求を満たす学校グランドを創造する。
(37)サッカーグランドの建設に対して政策的な支援を行う
サッカーグランドに対する投資に対しては、土地、税制、資金援助等についての優遇政策を明確にする。
(38)グランド施設の運営能力と総合効果を高める
企業運営の方式を採用し同時に非営利性の原則に従って、権限委譲と請負や、サービス契約という方法を用いて、公開入札により専門的な社会組織や企業に対して公共のサッカーグランドの管理運営を請け負わせ、公共サッカー場の低価格或いは無料での一般への開放を促進する。学校のサッカーグランドについても、課外時間における低価格或いは無料での社会開放を推進し、学校と地域社会がグランドを共同利用するルールを作り上げる。
十.資源投入システムを改善する
(39)財政支出を増大する
各レベルの政府は各々の役割権限に基づき主にグランドの建設、学校サッカー、青少年サッカー、女子サッカー、国家代表チームの建設、教育科学研究といった項目に対するサッカー予算を増加すべきである。体育、教育等の部門が関連する予算を作成するに当たっては、サッカーの改革と発展に対して傾斜配分をすべきである。
(40)中国サッカー発展基金会を設立する
基金会は非営利法人とし、法に基づいて募金を募り、サッカーに関わる公益活動への寄付や資金援助を受け入れる。各種の企業や社会単位、社会集団及び個人に対して寄付を奨励し、寄附については法に基づいて企業所得税、諸人所得税の課税額からの控除を認める。基金会はその規定により運営され、関連法規に従い情報公開を強化し、社会からの監督を受ける。
(41) スポーツくじ公益金によるサッカー発展に対する支援を拡大する
中央政府の下で得られるスポーツくじの公益金の中から、毎年一定の資金を中国サッカー発展基金会に配分し、青少年サッカー人材の育成とサッカーの公益活動に対して用いる。中国のプロリーグを対象としたくじの発行に対しても積極的に研究を進める。
(42)サッカー産業の開発を強化する
サッカーの無形資産としての開発・保護の努力を強化し、競技におけるブランドを確立することを通じサッカー関連用品を開発し、サッカーファッション市場を育成し、サッカー産業と関連する産業との融合と発展をはかり、全方向・全プロセスにわたるサッカー産業チェーンを打ち立て、サッカー産業の収益を継続して向上させ、多種類の経済要素を合わせてサッカー産業を形成する。
(43)中国サッカー協会の市場開発力を強化する
リーグ戦、カップ戦、代表チーム等の市場の開発と収益を継続的に増加させる。所属する企業との関係を素早く整え、現代企業制度に合わせて所属企業を改革し、徐々に本来的な意味での市場の主体とし、同時に新しい競合主体を導入し、市場に対して公平に競争する構造を打ち立てる。
(44)サッカー試合の放映権市場における競争システムを打ち立てる
新しいシステムを創り、サッカーゲームのテレビ放映権に秩序のある競争を導入する。サッカーゲームの放映権の収益の分配システムを改革し、競技の主催者と競技の参加者を主要な受益者とすることを確実にする。サッカーゲームの中継とその運営方式をあらため、伝統的なメディアと新しいメディアがサッカーの領域で融合・発展を実現する方法を探索し、新メディア市場の収入を拡大する。
(45)社会勢力がサッカーの発展に貢献することを奨励する
実力と知名度のある企業や個人を、プロフェッショナルサッカークラブへの投資、サッカーゲームと公益プロジェクトへの投資に導き、サッカー事業を支援するモデルと推進作用を発揮させ、クラブとサッカーの発展の資金源を拡大する。
十一.サッカー事業に関する指導を強化する
(46)サッカー改革発展協議会制度を設立する
サッカーの改革発展を維持推進させ、本計画を確実に遂行するために、サッカー改革発展協議会制度を設ける。体育総部(スポーツ庁)はサッカー改革発展の政策研究と戦略的な指導を強化する。教育部(文科省)は学校におけるサッカーの実行に対して主管部門としての責任を持つ。各方面は各々の職務範囲に基づき、その責任を果たし、努力をして、協力をして、ともにサッカーの改革発展を推し進める。
(47)サッカーに関する業務を重要な日程に上る
各地においてサッカーの改革発展を重要な議事日程に上るようし、思想を開放し、目標を明確にし、実行することに拘り、必要な資源の整合性をとり、力を合わせ、大胆にその方法を探し求め、特色有る発展を形成する。各地方の体育行政部門は各地のサッカー協会の業務に対して責任を持って支持し、各地区のサッカーの発展を推し進める。
(48)サッカー産業の法に基づく体質を強化する
サッカー領域における思想とマナー教育及び職業道徳教育を強化し、スポーツチームの気風と意志のレベルを鍛錬し、国を愛し貢献し、しっかりとした態度を持ち、団結して努力する気風を育て、中国サッカーの発展と振興の形成の努力し、社会の調和と進歩の精神を支持する勢力を支援する。サッカーの発展の必要性と業界としての特徴に合わせて、関連する国家の法律と規則及びサッカー産業の規範と規則をより良いものとし、サッカーの管理制度の基礎として打ち立てる。予防と罰則を合わせたサッカーの法治教育体系、法の執行と監督体系を形成し、公正で透明な法治環境を打ち立てる。
(49)良好な世論を醸成する
宣伝により一般大衆がサッカーの現状を客観的に認識できるように導き、合理的な期待や、勝敗に対して理性的な見方をするように導く。新しいサッカーの宣伝方法を創出し、サッカーに関するニュースの管理の世論の形成の役割を強化し、最大限に力を合わせてサッカー改革発展についての共通認識を持つようにする。
(50)成功モデルによる波及効果を発揮する
いくつかのサッカーの基礎が有り、サッカーを発展する良い条件を持ち、積極性の高い地方と都市を選んで、その支援と指導を強化し、サッカー改革の発展モデルと経験を総括した上で宣伝し、点から面へその運動を広げていく。
※1 北京郊外の紅山口で行われた中国サッカー協会の会議で、プロ化を進めることが決定された。
※2 2001年に甲B(J2に相当)の5チームが次年度の昇格を狙って八百長を行った事件。
※3 1998年、当時甲Aに所属していた強豪の大連万達が、試合後審判が買収されていたと主張し、リーグから脱退をした。
※4 2012年11月に開かれた中国共産党第十八回全国代表大会。習近平が次の4年後の大会で胡錦濤の後継者として党総書記になる事が決まった。
※5 中国でSportは体育と訳されるが、日本で体育が必ずしもSportと同じ意味を持たないように、中国においても体育には中国独特の意味合いが含まれている。日本では体育とスポーツとして使い分けることが可能だが、中国では体育以外の表現は存在しない。本稿では、原文の体育をそのまま用い、敢えてスポーツとは訳していない。
※6 旧協会は汚職と府政の蔓延が指摘され解散させられた。
※7 2013年11月に開催された共産党中央委員会。各方面での改革案が審議された。
※8 日本円で90兆円程度。
※9 中国においては全ての政府機関だけではなく、日本で言う公社公団はもちろん、企業(主に国営)も含め、あらゆる組織に等級がつけられ、その組織としての上下関係がわかるようになっている。例えば、大手国有企業の総経理(社長)は副部長(副大臣)級とされ、それを頂点に全ての職位が等級化され比較できるようになっている。官庁との打ち合わせでは、出席する役人と同じかそれ以上のレベルの人間が対応することが常識で有り、業界をまたがる会合でその席次を決めるときにはこの等級が常に意識される。この方案ではサッカー協会に対してこの様な格付けは行わないとしているが、誰が予算と人事権を握るかで、その等級の類推は可能となり、現実問題としてこれを実行することは簡単では無い。
※10 NBAで活躍した中国の有名なバスケットプレーヤー。政教委員というのは日本では国会議員に相当するが、共産党独裁体制のため、共産党大会の決定を追認する名誉職に近い)
※11 講師が何をさすかは不明。日本のサッカー解説者や、ジャーナリスト、研究者をまとめてこう呼んでいると推定される。