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韓国の知られざる兵役義務と免除の仕組み。ソン・フンミンには最後のチャンスと裏技も

text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

競争率の高い「軍隊チーム」への入隊。Jリーグでプレーした選手も

チョヨンチョル
軍隊チームに所属するチョ・ヨンチョル【写真:Getty Images】

 もちろん免除されたといってすべてが終わるわけではない。2年間の義務はなくなるものの、4週間の基礎軍事訓練は必ず受けなければならず(免除とは関係なく韓国人男性ならすべて受ける義務である)、7年間の「予備軍」制度にもかならず参加しなければならない。
 
 それでも2年間の兵役を1か月の基礎軍事訓練に減らせるというのは大きなメリットだ。ちなみに2002年日韓W杯の韓国代表は4位に終わり、3位以内は逃したが、国民の絶対的支持や史上初の快挙ということが重なり、大統領令として兵役の義務からの免除という特恵を受けている。

 では「免除」されない選手たちはどのように兵役の義務を果たすのか。選択肢は2択。プロリーグに参戦している軍隊チームであるサンジュ常武(Kリーグクラシック・1部)か、アンサンムグンファFC(Kリーグチャレンジ・2部)に入隊するか、もしくは一般の軍部隊に入隊するか、だ。

 しかし、プロリーグに参戦する軍隊チームに入隊できる選手は一握り。27歳までに入隊しなければならず、入隊できる人数も決められているため、すべての選手が入隊できるわけでもなく、競争率も高い。韓国代表歴がある選手、Kリーグおよび海外プロチーム在籍歴を持つ選手が多数だ。

 もちろんこの選手たちも書類審査、体力テストなどを受けなければならない。Jリーグファンにお馴染みのチョ・ヨンチョル(元大宮、現サンジュ)、ペ・スンジン(元横浜FC、現アンサン)がこの方法を選んでいる。(元清水のチョ・ジェジンは来日前に除隊。キャリアの序盤に兵役の義務を済ませた数少ない選手だ)

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