フィニッシャーとしての強い意欲を抱く理由
特に代表通算49ゴールの岡崎、同35点の本田は厳しいマークにあうことは間違いない。香川ももちろん警戒されるだろうが、彼が背後に飛び出ていくプレーはこれまでの代表では少なかった。
清武というゲームメークに長けた選手と組めば、香川がフィニッシャーになることは十分可能になる。本田にお膳立てをしてもらいながら、香川が点取り役に回る関係も構築できるはず。そうやって相手をかく乱する動きを多くすることが、背番号10のゴール数アップに直結するのだ。
「昨日(マインツ戦)は得点に絡むプレーはしましたけど、まだゴールは取れてない。向こうのファンもメディアも結果を求めるので、自分自身も早く1点を取れるようにしたい。それにつなげる意味でも、最終予選の初戦をしっかり勝てるように準備したいです」と香川は今回の最終予選2連戦で弾みをつけ、ドルトムントでの成功につなげていく考えを持っている。
昨季以上の熾烈な競争に勝ち残るためにも、今回のUAE戦は香川がチームに勝ち点3をもたらしたと言われるほどの圧倒的なインパクトを残さなければならない。代表とクラブ、求められるものは違っても、2つの戦いはつながっているのだ。
香川はリーダーとしての強い意思を示すことができるか。背番号10が描く理想のトップ下像に近づくためにも、ゴールという目に見える結果は必須条件である。
(取材・文:元川悦子)
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