アンダー22選抜の二の舞にはならないのか
まずはコアとなるメンバーを固定させて、実質的な代表チームとして参戦しなければ強化の目的を果たせない。大枠のなかから所属クラブでベンチ入りしない若手だけを試合ごとに集めていては、昨シーズンまでJ3に参戦させていたものの、なかなか効果が見込めないとして活動休止に至ったJリーグ・アンダー22選抜の二の舞いは免れないだろう。
そして、各クラブの理解のうえで実質的な年代別の代表を編成してカップ戦へ参戦させるには、日本サッカー協会との調整も不可欠になる。アジア予選を戦わない五輪代表を、東京大会へ向けていつ発足させるのか。その場合の監督は誰に任せるのか。こうしたテーマとも、密接にリンクしてくる。
原副理事長はさらに、YBCルヴァンカップに参加するJクラブに一定数の若手を必ずベンチ入りさせるレギュレーションを新たに設けることや、年間スケジュールを調整することで国際試合に臨める機会を増やすことなども挙げているという。
前者は幾度となく検討課題にあがり、3連敗でグループリーグ敗退を喫した2008年の北京五輪後には、日本サッカー協会の犬飼基昭会長がヤマザキナビスコカップを23歳以下の大会にすべきだと提案。Jリーグの鬼武健二チェアマンと、意見を真っ向から対立させたこともある。
そして、後者はヤマザキナビスコカップ時代からの過密スケジュールを見れば、強化のチャンスを逸していることが一目瞭然だ。グループリーグの一部と準々決勝、準決勝はいずれも国際Aマッチ期間に、J1が中断されている間に開催されているからだ。
これらをずらすことができれば、A代表戦とのセットで五輪代表戦を開催することもできるし、単独で海外遠征を行うこともできる。実際、昨シーズンの手倉森ジャパンの12月まで満足に強化試合を行えず、リーグ戦の公平感を損なうという批判を甘んじて受ける形で、Jリーグ・アンダー22選抜ではなくU-22日本代表をJ3に参戦させたこともある。