ルヴァン杯に東京五輪代表参戦案も
ナイジェリア戦でゴールマウスに立ったGK櫛引政敏は、今シーズンから期限付き移籍しているアントラーズで一度もリーグ戦の舞台に立てていない。コロンビア戦で同点弾を決めたMF中島翔哉も、J3に参戦しているFC東京U-23でのプレー時間のほうが圧倒的に多い。
スウェーデン戦で決勝弾を決めたMF矢島慎也にしても、レッズでは出場機会を得られず、自ら志願して期限付き移籍して2シーズン目を迎えたJ2のファジアーノ岡山でようやく輝きを放ち始めた。
23歳以下の選手の半数以上がトップリーグにあたるJ1での経験を十分に積めないまま、育成年代の集大成となるリオデジャネイロ五輪を迎えた。その結果として導かれた非情な現実に、村井チェアマンは大いなる危機感を覚えずにはいられなかったという。
「とぼけたことを言っていると、4年なんてすぐに来てしまう。いかにしてJ1というフィールドでプレーする機会を、若い世代に積ませていって東京五輪を迎えられるか。Jリーグとして、どのような手を打っていけるのか。すぐに実行委員会で議論しなければいけない」
村井チェアマンをして「フットボールの司令塔として迎えた」と言わしめ、今年2月に就任した原副理事長は、レッズやFC東京の監督、そして日本サッカー協会の専務理事や技術委員長を歴任してきた経験をもとに、すでにさまざまな改革アイデアを打ち出しているという。
あくまでも口頭レベルであり、まだ実行委員会で議論する段階にも至っていないが、そのひとつにはYBCルヴァンカップ(旧ヤマザキナビスコカップ)に東京五輪を見据えた選抜チームを参戦させることが含まれている。
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