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ネイマールをセレソンの中心に。ドゥンガ監督第二期。闘将がクラッキを主将にした理由【フットボールと言葉】

シリーズ:フットボールと言葉 text by 竹澤哲 photo by Getty Images

ドゥンガの再就任に危惧を抱いていたものも

 またドゥンガはセレソンについてあらためて語っている。

「セレソンとは……ブラジルではフットボールを始めたとき、誰にとっても最高の目標となるのがセレソンなのだ。それは誰にとっても夢なのだ。70年に私の家に初めてテレビが来た。そして私はテレビでペレ、リベリーノのプレーを見て、代表に入りたいと思った。そして今、私はそのチャンスを掴んでいるのだ」

 育成についてのドゥンガの考えは次のようなものだった。

「ブラジルにはタレントある選手が、1秒ごとに生まれてきている。しかし我々の抱えている最大の問題とは、年々ヨーロッパへ渡る選手の年代が低くなってきていることだ。ブラジルを十分に知ることなく、14歳、15歳の若さでポルトガルへ行ってしまう。このような子供はブラジルの育成を経験せず、ほとんどブラジルの試合には出ないで行ってしまう。

 CBFは大きな投資を行ってきている。練習場や練習環境の改善や新しい大会を始めたりして、優れた選手が現れるための組織作りを行ってきている。しかしタレントのある選手を育てていくのはクラブである。選手が1年間のうち、9ヶ月から10ヶ月間過ごすのはクラブなのだから。代表では国際大会でのノウハウや、国際経験を積むことができる。しかし、選手のテクニックのクオリティを高めるのはクラブにおいてなのだ」

 しかしドゥンガの再就任については危惧を抱くものもいた。7月22日付スポーツTVのウェブサイトには、さまざまな意見が載せられた。コメンテーターのレッジオ・カルモーナ氏は驚きを隠さなかった。

「我々はまた同じ過ちを繰り返そうとしている。監督を交代させるだけではなく、概念、考え方、哲学、計画性を変えなければいけないのだ。今から2週間前に、ブラジルがドイツに7対1と大敗したとき、人々は全てを変える必要があると言っていた。

 そしてジウマールが代表コーディネーターに就任し、『外国人監督は望まない』と言った。それなら実績のあるチテかムリシーなら納得できると思ったら、そうではなかった。選ばれたのはドゥンガだった。私はドゥンガに反対するものではないし、彼は前任の時いい仕事をしていることは認めているが……」

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