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Jリーグ 8年前

磐田、2nd未勝利もブレない名波監督。戦い方の継続と貫徹。J1残留に向け、勝負の終盤戦へ

text by 青木務 photo by Getty Images

時間の経過とともに主導権を握られる状況

ジュビロ磐田のディフェンスリーダー、大井健太郎
ジュビロ磐田のディフェンスリーダー、大井健太郎【写真:Getty Images】

 最後まで貪欲に戦うという意味でも、主導権を握る時間帯を長くしたいところだ。最近の磐田は試合の入りこそスムーズだが、次第に相手に押し込まれてしまい、星を落としている。

「相手の方が余裕を持ってやっているんだろうなと思う。ガンバ戦も前半はうちが良かったと思うけど、相手はその後先制したこともあって、ゆっくりやりながらも局面、局面で自分たちのボールにして、無理せず攻めてくるイメージがあった」

 大井が振り返るように、相手はペースを握れていなくても焦ることがない。磐田の時間でも要所をしっかりと抑え、そこからギアを上げている印象すらある。非常に洗練されているが「そういうのは強いチームができること」と背番号3は述べ、こう続ける。

「だからうちは、前半にいいゲームができていたらそのままじゃなくて、より一層、5%でもいいから前半以上に自分の力をさらに出さないといけない。球際でも前半は『これで良かった』というところを、もう一段階上げて強く行くとか。体力も落ちてくるけど意識のところを出す。そうすることでやっと同じくらいのプレーを保てると思う。

 前半のままでは時間とともに体力を削られてくるし、自分ではやっているつもりでもできていなかったりするので。前半より後半、そして試合終盤はさらに意識してやらないといけない。『このくらいでやれていたから、このままでいいや』と思わずに、『まだまだやらなきゃ』という気持ちを持ってやれば、前半と同じような形とか、もっといいプレーができると思う」

 1-0で逃げ切れるほどJ1は甘くなく、追加点の必要性は誰もが理解している。だからこそ、時間の経過とともにトーンダウンしてしまうのではなく、常に意識やプレー精度を上げる必要がある。ズルズルと相手に呑み込まれ、不完全燃焼のまま敗戦を受け入れるのでは後味が悪い。前半より後半、そして終盤と、パワーを増強させることは簡単ではないが、1分1秒に自分の力を凝縮しなければ、歓喜を迎えることはできないだろう。

 勝てない時期が続くと、戦い方をガラッと変えるという選択肢もある。磐田で言えば全体のラインを下げるという対応策もある。しかし、「それで勝てなかったらシャレにならない」と名波監督が言う通り、結果が出なかった時のダメージは甚大だ。そうなってしまえば、迷路から抜け出せないままシーズンが終わってしまう可能性もある。指揮官はこのまま走りきる覚悟を固めている。もちろん、現状を打破するための努力を怠るつもりはない。

「継続してやること。個としてとういうより組織としての質を攻守ともに上げていく。今は2点目が非常に重要なポイントになっている。1-0で勝ち切るようなチームではないから、2点目を取りに行く姿勢を貫くこと」

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