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香川真司 8年前

香川はBVBの“媒介者”に。昨季を知る者が結ぶ新シーズンへの橋渡し。圧倒的戦力差の4部と独杯へ

ドルトムントは現地時間22日、DFBポカール(ドイツ杯)の1回戦で4部所属のアイントラハト・トリアーとアウェイで対戦する。圧倒的戦力差を誇るドルトムントにとって、敗戦などあってはならない一戦である。昨季から選手が入れ替わり、特定の個に依存しないチーム作りが始まっているドルトムントにおいて、香川真司は昨季を知る者として新シーズンへの橋渡しを担うことになりそうだ。香川は、今季のサッカーを作り上げる上での“媒介者”なのである。(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)

text by 本田千尋 photo by Getty Images

ドルトムント、圧倒的戦力差の4部トリアーと対戦へ

香川
ドルトムントの香川真司【写真:Getty Images】

 開幕前の貴重な実戦である。2016年8月22日、ボルシア・ドルトムントはアウェイで4部所属のアイントラハト・トリアーと戦う。DFBポカールの1回戦だ。

 2016/17シーズンの公式戦は、14日に行われたバイエルンとのスーパーカップから始まっている。しかし、試合後に香川真司が「普段の(公式戦の)ゲームの雰囲気ではなかった」と述べたように、スーパーカップはシーズンの開幕を告げるお祭りといった色合いが強い。

 地元紙『ルール・ナッハリヒテン』電子版は「BVBにとって16/17シーズンは月曜日にトリアーで正式に始まる」と記した。古代ローマ帝国の円形闘技場が残る街で、ボルシア・ドルトムントの新シーズンがいよいよ始まるのだ。

 4部所属のチームが相手だが、一発勝負のカップ戦なのでもちろん油断することは出来ない。それでもドルトムントとトリアーの戦力差は、火を見るより明らかだ。移籍市場専門サイト『トランスファー・マルクト』によれば、トリアーの合計市場価値は「225万ユーロ」。対するドルトムントは、例えば香川の市場価値は「1600万ユーロ」。

 乱暴な比較になるが、単純計算でBVBの選手1人が、およそトリアー7チーム分の市場価値を持っていることになる。番狂わせを通り越して、奇跡でも起きない限りトリアーに対するドルトムントの敗戦はあり得ない。

 もっとも、19日にイェーナに乗り込んだバイエルンのように、熱気に包まれたスタジアムと緊張感のあるゲームの中にドルトムントが飛び込むことは間違いない。ブンデスリーガの開幕戦を約1週間後に控え、公式戦としてのトリアー戦は、貴重な最終調整の場でもある。

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