本田、「レベルの底上げ」を自ら実践するシーズンスタートに
戦術の理解という面でも本田よりも先行しており、先発で使われるというのも妥当だろう。トロフェオTIM後、本田は「レギュラー選手だけじゃなくて、やはり全員がもう少しレベル的に底上げすることができれば、厳しいリーグを戦っていくことができるんじゃないかなというふうに思う」と語っていた。とりあえずは、自らがそれを実践する立場としてシーズンをスタートすることになりそうだ。
「これで本田は使われなくなる」と、地元記者の多くは当たり前のように言う。ただ、本当にそうなのだろうか。これまでの使われ方を見ていると、モンテッラは本田のこともチーム戦術の中で使いこなそうとしているのではないかという気がするのだ。
アメリカ遠征では出場時間が少なかったが、コンディションを上げてきてから練習試合でも出場時間を多く与えた。そしてプレーでもまた、本田の特性を考えてテストをしている。
外から中へと絞る逆足ウイングとしてポジションを取らせた上で、ボールに多く触らせパスを回させる。フライブルク戦では特に顕著だったが、展開から外れた格好になることが多かったミランでの過去2年半から考えると若干異質の光景だった。
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