Vリーグ選手の平均は10年で10倍に。アイドル選手は日本よりもベトナムへ
これ以降、FWレ・コ・ビン、GKズオン・ホン・ソン、CBブー・ニュー・タインといったスター選手が次々と国内のビッグクラブへ移籍し、月俸はいずれも4000万~7000万VND(約18万2000円~31万8000円※賞与含まず)まで跳ね上がった。2000年から2010年の10年間で、Vリーグの選手の平均月俸は約10倍に増えたと言われている。
しかし、人材分野での大型投資は、次第にクラブ経営を圧迫していき、サッカークラブへの投資から撤退する企業が続出。これにより、解散を余儀なくされたクラブも多数あった。こうした状況から2012年以降は移籍市場もやや落ち着きを取り戻し、移籍金や契約金、選手の月俸もレベルに見合った範囲に収まるようになった。
現在、FWレ・コン・ビン、FWグエン・アイン・ドゥック、MFグエン・チョン・ホアン(いずれもビンズオン所属)らVリーグのスター選手の平均月俸は3000万~4000万VND(約13万6000円~18万2000円)。
現役ベトナム代表の主力クラスであるMFグエン・バン・クエット、MFファム・タイン・ルオン(ハノイT&T)、MFゴー・ホアン・ティン(タインホア)、MFブー・ミン・トゥアン(クアンニン)、DFクエ・ゴック・ハイ(SLNA)らは2000万~3000万VND(約9万1000円~13万6000円)となっている。
5年前と比べれば、サッカー選手の平均月俸は格段に上昇したと言って間違いないだろう。もちろん選手は出場すれば、試合給や勝利給、ゴール給といったボーナスがついてくる。
また最近は、アイドル的な人気を誇るスター選手も次々と誕生しており、CM出演料なども含めれば、日本のJ2の平均より収入が上になるケースもある。ベトナム人サッカー選手の長者番付1位の元札幌レ・コン・ビンが環境の整った日本でのプレーより、金銭面の条件がいいベトナムでのプレーを選択したというのは周知の事実だ。
(取材・文:宇佐美淳【ホーチミン】)
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