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ネイマールを2010年W杯で招集外とした理由。闘将ドゥンガが“セレソン”に感じる重み【フットボールと言葉】

シリーズ:フットボールと言葉 text by 竹澤哲 photo by Getty Images

ネイマール、ガンソを招集しなかった理由

南アフリカW杯当時、サントスでブレークしていたネイマールをドゥンガは招集しなかった
南アフリカW杯当時、サントスでブレークしていたネイマールをドゥンガは招集しなかった【写真:Getty Images】

 南ア大会前、ドゥンガが批判されたことの一つに、ネイマールやガンソをメンバーに入れなかったことがあった。代表にはまだふさわしいとは思わなかったのだろうか

「ファンはよく覚えていないかもしれないが、ワールドカップ前年12月の段階で、ネイマールはサントスでレギュラーとしてプレーしていなかった。1月は休暇であり、選手権が始まったのは2月中旬だった。ブラジルが最後の親善試合をしたのが3月15日だった。当時、ネイマールはクラブで3試合に先発しただけだった。

 ガンソはアンダー18代表であり、まだ(トップチームの)試合に出ていなかった。彼らが活躍しだしたのはワールドカップ直前のことだったのだ。しかしその時はすでにプログラムは決定されていた。テストする試合もなかったのだ。

 テストを受けていない選手を起用することもできないし、また代表のユニフォームの重みも感じることができない選手を起用するわけにはいかないのだ」

 この時私はドゥンガが将来、再び代表監督を務めることがあるかもしれないと思い、もし再び代表監督としてワールドカップに出場するとしたら、どのような準備をしますかと尋ねた。実は、日本代表監督も含めて、どこかの国の監督という意味で尋ねたのだが、ドゥンガにとってはやはりセレソン以外には考えられなかったようだ。

「ワールドカップに向けてやった仕事に対する考え方は、これからも変わらないだろう。仕事のやり方、目的意識、選手との会話を大切にすること。試合に出ているものを選び、試合に出ていないものは選ばない。

 ブラジル代表のユニフォームを着たものは、その重みを感じ、ベストを尽くさなければいけない。振る舞いもふさわしいものでなければいけない。代表にすべてを捧げること。試合を選ぶことなく、常に戦わなければいけないこと。

 試合に出るときも出ないときもチームメイトにたいしてリスペクトを持つこと。そういったことはすべてプログラミングされなければいけない。それぞれがチャンスをいかすことが大切だ」

(取材・文:竹澤哲)

【次回へ続く】

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