最強のライバルか、最高の仲間か。香川を追走するゲッツェ
もっとも、ザントハウゼン戦では72分で途中交代となったように、ゲッツェのコンディションはまだまだ整っていない。
一方で香川は、バイエルン戦の後で「90分やれたことは、そこはひとつ良かったのかなと思っています」とコンディションにある程度の手応えを感じている。対2部所属チームのテストマッチと対昨季王者のスーパーカップでは、ゲームのインテンシティが違えば体力の消耗度は比べるべくもない。
そう考えると、現時点ではゲッツェに対して香川が大分リードしている、と言えるだろう。BVBで、トップ下のポジション争いはまだ始まっていないのだ。
だからと言って、香川のポジションが安泰という訳ではない。ゲッツェのコンディションが整えば、バイエルンとEUROで不振に終わったとは言え、W杯でアルゼンチンに止めを刺したドイツ代表は香川にとって最強のライバルとなるだろう。
同時に、フットボーラーとして進化する上で刺激を得られる最高のチームメートでもある。また2人の競争は、ドルトムントのチーム全体にとってもポジティブなものとなるかもしれない。
ゲッツェが香川を追走する。ドルトムントのトップ下では、こうした状況がしばらくは続きそうだ。
(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)
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