2015年の変化。23歳の1年間
小林が名実ともに磐田のエースとなったのは、より正確にいえば2015年の夏頃だ。「サッカーをわかっている人ならミヤくんが好きなはず」と小林が絶賛する宮崎智彦は、当時のことを懐かしそうに振り返る。
「去年の夏くらいからかな、本当に変わったのは。それまでにアイツは何度もいろんな人とぶつかってきたと思う。年上にも物怖じせず言うタイプだし(笑)。その中で学んだものもあれば、自分でこうしていかなければいけないというのを考えていたと思う。最近は人のことを考えながら、周りがあって自分が活きているとか、活かされているというのを噛み締めながらやっている。
試合の中でも誰かがミスしたらその後カバーするとか、ちょっとパスがズレても収めてあげるとか、そういうところでチームを助けてくれている。それまでは、『俺が俺が』という感じだったし、それがいい方向に出る時もあれば、チームの中で乱すわけではないけど『自分を出しすぎじゃない?』と見られる面もあったりした。何がきっかけだったかわからないけど、本当に変わったなと」
当時の小林に一体何があったのだろうか。24歳の誕生日を迎えた4月24日、磐田の練習場で本人に話を聞いた。23歳を過ごした1年は、何をもたらしたのか。
「自分の中で一番、色々なことを経験したし、心もプレーも変わった年だった。俺はどこに行ってもやれるという自信もついた。どこから出てきているかはわからないけど、そういう自信がある。
ビッグクラブに行こうが、海外だろうが、日本代表だろうが、自分のプレーを出せる自信がある。代表とか、どんどん高いレベルのチームに行って、ジュビロを上に引き上げて、自分もさらにステップアップしていけたらなという目標がまた新たにできたので、いい年だった」
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