加入当初の迷い。自分からアクションを起こす必要性を痛感
大熊清監督は3バック採用など改善策を講じているが、ボールの奪いどころが明確でないといった課題は多い。
「2~3年前ならサイドバックに入ったら取りに行くとか、そういう共通理解があったからみんなの狙いどころもハッキリしていた。今はそれもないし、誰かがスイッチを入れるわけでもない。
俺が行けばスイッチになると後ろの選手も言ってくれているけど、真ん中を空けると逆にやられがち。山雅戦の前半も後ろが3枚で引いていたから、ますます前から取りに行けなかった。だけど、もう少し割り切って行ってもいいのかなと思います。
今季はメンバーも変わったし、戻ってから今までは若干の遠慮というか、俺が合わせる形になっていた部分があるんで、もっと自分から周りを動かしていってもいいのかなと思う」と山口蛍は自らアクションを起こす必要性を改めて痛感している。
この苦境でチームの雰囲気を劇的に変える存在感と統率力を示さなければ、わざわざJ2に戻った意味もなくなってしまう。日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督も苦言を呈していた。
「蛍が2部に帰ってくると聞いて『うれしくない』と本人に伝えた。ドイツは2部でもフィジカルの戦いが違う。ドイツで成長するはずの選手だったが、今の状況ではA代表の先発になるのは難しい」と語るように、山口蛍の古巣復帰の選択には、依然として厳しい声も少なくない。
「(ハリル)監督もそうだけど、いろんな人から『早く帰って来過ぎ』とか『逃げて帰ってきた』とか今もすごい言われるし、そう思われてもおかしくない。自分の中ではそれを受け止めているし、そのうえで自分が何を成し遂げていくか、変わっていくかが大事やと思っています」
山口は自身への批判を認識している。そしてこう強調した。
「俺はセレッソで何も成し遂げてない」