大島僚太を抜擢する意味。守備面では課題あるが…
唯一の海外組だった南野拓実(ザルツブルク)も豊富な国際経験を生かした落ち着き、屈強なフィジカルにも負けない当たりの強さ、ゲームメークとフィニッシュの両方に絡める判断のよさを披露。昨年10月のイラン戦で国際Aマッチデビューした頃に比べて格段の進歩を示していた。
スウェーデン戦は疲労蓄積のせいか、消える場面が目立ったものの、後半立ち上がり早々の中島翔哉(FC東京)のシュート性のクロスに確実に飛び出し、あと一歩でゴールになりそうな形を作るなど、得点への嗅覚も鋭さを増していた。
この先もこうしたパフォーマンスを維持できるのであれば、9月から始まる最終予選にフル帯同させて、2年後のロシア大会や6年後のカタール大会の主力に育てるくらいの大胆トライをしてもいいのではないか。
日本代表のFWと2列目は本田圭佑(ミラン)、岡崎慎司(レスター)、香川真司(ドルトムント)らを筆頭に実績ある選手が揃っている。とはいえ、ロンドン五輪代表からA代表にステップアップして前回最終予選の要所要所で輝きを放った清武弘嗣(セビージャ)のようなフレッシュな人材がいなければ、チームは活性化されない。浅野と南野は4年前の清武になりうる可能性がある。そこは強調しておきたい点だ。
中盤を担った遠藤航(浦和)、大島僚太(川崎)も好感触を残したのは間違いない。ただ、遠藤航はヴァイッド・ハリルホジッチ監督の中ですでにA代表要員と位置づけられている。山口蛍がセレッソ大阪復帰に踏み切って指揮官の株を下げたこともあり、最終予選では重要な戦力になるはずだ。
大島は6月のキリンカップ2連戦(ブルガリア&ボスニア・ヘルツェゴビナ)で招集されながら出番なしに終わったが、今大会での落ち着きと効果的なパス出しで一段と評価を高めたと見られる。
ただ、大島の場合は守備面でまだ見劣りする部分があるのも事実。そこがどう判断されるかだが、今の日本にはゲームを作れる若手が少ないだけに、彼に経験を積ませるのも一案だろう。