攻撃陣で強い印象を与えた浅野拓磨
リオデジャネイロ五輪初戦・ナイジェリア戦を4-5で落として黒星発進となり、第2戦・コロンビア戦も2-2のドローと、序盤の出遅れをリカバリーしきれないまま10日(日本時間11日)の最終戦・スウェーデン戦を迎えた日本。
崖っぷちで挑んだこの試合は手倉森誠監督が構築してきたチームらしく手堅い守備が機能。攻撃陣も落ち着いたボール回しからたびたびチャンスを作り出し、後半20分には途中出場の矢島慎也(岡山)が鋭い飛び出しから先制。最終的に1-0で勝ち切った。
コロンビアがナイジェリアに2-0で勝利したことでグループステージ突破はならなかったが、日本としてはラストだけはある程度、納得いく形で締めくくれたとも言えるだろう。
オーバーエージ枠で抜擢した塩谷司(広島)と藤春廣輝(G大阪)の融合の遅れ、守備陣の不安定さ、数多くの決定機を作りながらも決めきれないフィニッシュの課題など、手倉森ジャパンはリオ五輪で数多くの問題点を露呈した。
それはしっかりと検証していくべきテーマだが、一方で今後への希望を示した選手がいたのも事実。指揮官が「この経験は日本サッカー界にとって財産になると思う。ロシアにこのメンバーが加わっていければいい」と語ったように、リオで世界基準を感じた面々が1人でも多く2018年ロシアW杯アジア最終予選に参戦しなければ、日本代表の底上げは図られない。
その候補者筆頭と言えるのが、やはり浅野拓磨(アーセナル)だろう。彼はナイジェリア戦で途中出場、コロンビア・スウェーデン戦で先発して2ゴールを挙げているが、爆発的なスピードと重要局面での勝負強さを改めて印象づけた。
特にコロンビア戦での神出鬼没な動きは相手に脅威を与えていた。以前は裏へ飛び出す動きばかりが目立ったが、この大会では相手を背負ってボールをキープしたり、お膳立てのパス出しをするなど、幅広いプレーを随所に見せ、短期間での劇的な成長ぶりを感じさせた。