クーデターに関与したとされるハカン・シュクル氏【写真:Getty Images】
元トルコ代表のハカン・シュクル氏が、先月15日に起きたトルコクーデター未遂事件に関わっていた疑いがあるとして逮捕命令が出された。12日にトルコの『アナドル通信社』が報じている。
トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領側は、先月15日に起きたトルコクーデター未遂事件を計画した犯人がイスラム教指導者フェトフッラー・ギュレン師の組織だと判断している。
それにより、シュクル氏と父親のセルメト・シュクル氏はクーデターを指揮したとされているギュレン師の組織に関与していたテロの武装グループのメンバーだった疑いがあるとして起訴された。イスタンブルにあるシュクル氏の実家は家宅捜査が行われ、同氏の父親は逮捕されている。
かつてインテルやトルコの強豪ガラタサライでプレーしたシュクル氏は、トルコ代表で112試合に出場して51得点を決めた同国代表最多得点記録保持者だ。2002年に行われたワールドカップ(W杯)の韓国戦で同氏が開始10.8秒で決めたゴールは、今もなおW杯史上最速記録となっている。
2008年に現役を引退したシュクル氏は、2011年にトルコ大国民議会議員へ転身。エルドアン大統領率いる公正発展党から下院議員選挙に出馬して当選を果たした。
しかし、同大統領とギュレン師の関係が悪化した2013年に辞職。そして、エルドアン大統領に対するシュクル氏の侮辱発言が問題にされると、それを機に家族を連れてアメリカのカリフォルニア州へ移住した。
シュクル氏は、ギュレン師を支持していることを認めているが、クーデター未遂事件への関与を完全否定していると報じられている。
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