垣間見えたBVBのこれからの可能性
しかし、ひとたびコンディションが整って連携が構築されたなら、2人の同時起用はドルトムントにとって重要なオプションになるのではないだろうか。
ゲッツェは、ギュンドアンとはまた違い、狭いスペースでクリエイティビティを発揮する。それは香川についても同様で、ゲッツェと補完し合えれば、閉じたバイタルエリアでも持ち前の技術を発揮しやすくなるだろう。つまりBVBにとって、引いた相手を崩すためのバリエーションが増えることになる。
もっとも[4-1-2-3]は、昨季の前半戦もそうだったように、守備面に難がある。両SBが同時に高い位置を取るため、カウンターでその裏のスペースを突かれやすい。ザンクトガレンでのビルバオにも狙われた。
そういった意味では、昨季の後半戦に取り組んだ[3バック+2シャドー]の布陣で、香川とゲッツェの2シャドーを試みてみても面白いかもしれない。チームとしては守備に重点を置きつつ、2人を2列目に並べることができる。
ビルバオ戦の後半に入ると、ドルトムントは布陣を変更して[4-2-3-1]とする。
【GK】バイデンフェラー、
【DF】右SBパスラック、右CBバルトラ、左CBメリーノ、左SBブルニッチ、
【MF】2ボランチにカストロ、シャヒン、トップ下に香川真司、
【FW】左右のウイングにデンベレ、モア、CFがオーバメヤン
後半に入ると、さらに疲労がのしかかったのか、パスミスから相手にチャンスを作られるなど、ドルトムントはさらに精彩を欠いた。
試合は0-1でビルバオが勝利する。しかし、あくまでテストマッチなので、結果についてはさほど気にする必要はないだろう。
BVBのこれからの可能性が垣間見えた、ビルバオ戦だった。
(取材・文:本田千尋【デュッセルドルフ】)
【了】