スウェーデンに順当勝ちも…惜しいグループステージ敗退
スウェーデンは日本と同じようなゾーンの4-4-2、整然とした守り方は北欧の伝統だ。互いにまずスペースを埋める守り方がメインなので、探り合いのスローテンポな展開になった。しかし、次第に日本がペースを握り、大島の突破から矢島のゴールが決まって1-0。決定機も日本が多く、勝つべくして勝った試合といえる。
今回の日本はグループリーグを突破する力があった。ただし、突破して当然というほどでもない。4位だった前回大会よりもチームとしての完成度はむしろ高かったが、ミスによる失点が多すぎた。2試合目のコロンビアに引き分けた時点で自力突破の可能性がなくなった以上、(コロンビアに負けた)ナイジェリアに文句を言っても仕方がない。
スウェーデン戦は大きなミスもなく無失点。1-0の勝利は、3試合目にしてはじめて狙いどおりの試合ができたといえる。もともと今回のチームはアジア予選突破すら危ぶまれていた。予選を堅守速攻で勝ち抜き、五輪では7ゴールの攻撃力もみせた。成長していただけに敗退は惜しい。
日本の強みは組織力だった。ワールドカップと違って、五輪は組織力があれば勝ち上がれる可能性のある大会だ。今回はミスで自滅してしまったが、ナイジェリア戦、コロンビア戦も勝つチャンスはあった。
一方で、個人能力で圧倒できるような選手はいなかった。グループリーグを通るか通らないかではなく、突破して当然の立場になるには個人の能力を上げなければならない。
南野や浅野はときおり素晴らしい個人技を発揮していたが、スウェーデン戦では1対1で止められるシーンが続いていた。狭いエリアでもターンできて失わないクオリティをみせた大島、中島、矢島にしても、大会のスーパースターに数えられる存在かといえばそうではないだろう。リオ五輪を機に、さらなるスケールアップに期待したい。