優勝の代償。“影のMVP”カンテがチェルシーに移籍
弱小チームが躍進した翌シーズンは、そのクラブが草刈り場になることが多い。近年ではサウサンプトンが良い例で、毎年のようにレギュラーが引き抜かれている。当然レスターも例に漏れず、ビッグチームが積極的に引き抜きを画策した。
ヴァーディーにはアーセナルがオファーを出し、クラブ間では合意に達したものの、選手自身が残留を望んだ。この男気溢れる決断に、ヴァーディーはサポーターの間ではいまや神扱いだ。
一方で、昨季の影のMVPといっても過言ではないカンテは1年でキングパワースタジアムを去り、チェルシーに加入した。もう一人のヒーローであるマハレズは、バルセロナやアーセナルが関心を見せているようだが、これまでのところは残留する模様だ。それでも移籍市場はまだ3週間残っているだけに、プレミア王者は予断を許さない状況である。
ヴァーディーとマハレズ。チームの総得点数の3分の2近くを叩き出した2人がクラブを離れれば、特大の戦力ダウンとなる。彼らの残留はチームにポジティブな風を流すことだろう。
しかし彼ら同様、もしくはそれ以上に昨季のチームにとってカンテ流出は大きな戦力ダウンだ。無尽蔵のスタミナで守備に貢献しながらも、組み立てと崩しの局面でも違いを作り続けた。レアル・マドリーも狙っていたほどの逸材であり、最終的に移籍したチェルシーが支払った3200万ポンドという金額を見れば、選手としての質の高さは一目瞭然だ。
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