ゲッツェ加入で香川の立場は危うくなったのか?
さらに67分からはプリシッチとバイグル、そして新加入のゲレイロ、ゲッツェ、シュールレが入る。
香川に代わったゲッツェはスプリントを活かしてマーカーを剥がし、比較的多くボールに触った。しかし時間帯を考えれば、それも当然のことだ。試合も70分を過ぎて終盤に入れば、敵のタイトなディフェンスも緩んでくる。ゲッツェとシュールレはドイツ代表で培ったコンビネーションを見せたが、それ以上の目立ったものはなかった。
1-1で終えたサンダーランド戦で、ドルトムントは攻撃時の連携面でポジティブな要素を示すことはできなかった。要するにトゥヘルの「繋ぎ合わせるのは簡単ではない」という言葉を平たく言ってしまえば、「まだチームはバラバラである」ということになる。
なので現段階では、例えばゲッツェの加入によって香川の立場は危ういといったように、新加入選手との比較で特定の選手の危機を煽ることには意味がない。
ポジションを争う争わない以前の問題で、ドルトムントがチームとして機能するために新加入の選手たちはまずトゥヘルのコンセプトを理解する必要がある。そして選手間でリズムやイメージを共有して、連携を構築していかなければならない。
ブンデスリーガの開幕まで、およそ3週間となった。決して長くはない。
(取材・文:本田千尋【デュッセルドルフ】)
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