オーナー候補が用意するビエルサ再招聘プラン
彼らは、球場や周辺の土地ごと手に入れたドジャースと同様、マルセイユについても、聖地ヴェロドローム・スタジアムごと買収することを条件に入れているが、このスタジアムはマルセイユ市の所有物であり、現市長ジャン=クロード・ゴーダン氏に代表される市の幹部たちは、マルセイユの名所ともいえるこの場所を手放すことに難色を示しているというのだ。
ロペス氏は、マルガリータ女史に5000万ユーロ(約57億円)を提示したと言われている。スペイン系のロペス氏は自身も少年時代はサッカーに明け暮れていたサッカー狂で、FCバルセロナの元幹部とも懇意にしている。そしてかつて育成所に所属していたルクセンブルグのトップリーグ所属のクラブのディレクターも務めている。サッカーの見識ももつ彼のオファーは真剣そのもので、運営についてすでにいくつかプランを用意しているらしい。
そのうちのひとつが、マルセロ・ビエルサの“再”招聘だ。買収が決まった暁には、エル・ロコこと、狂人的ながらも才覚はずば抜けたこの指揮官を呼び戻すとのことで、ビエルサ監督ともすでにコンタクトをとって了承すみだとフランス・フットボール誌は報じている。
ビエルサ監督は昨シーズン、開幕戦のカーン戦のあとの会見でいきなり辞任を表明し、その後のマルセイユは少なからずその影響をこうむった。それでも彼はいまだにサポーターからは絶大な人気を誇っている。攻撃的なプレースタイルを貫いていたのも、『Droit au But』(ゴールへ一直線!)をスローガンとする彼らの心意気とマッチしていたのだ。
【次ページ】ほぼ一新したスターティングメンバー