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東京Vの“マスター”永井秀樹が語る最高のスパイク「形状記憶は俺には合わない」【SPIKE WARS】―⑤

遠い昔、まだラモス瑠偉がルイ・ゴンサウヴェス・ラモス・ソブリーニョだったころ、彼の所属する読売クラブが国士舘大学と練習試合をしたことがあった。試合後、ラモスはチームメイトの武田修宏に命じた。「いますぐ大学辞めてウチのチームに来いってあの選手に言ってこい! あれは天才だよ!」――。それから25年。ラモスをして天才といわしめた男、永井秀樹は目下、三浦知良に次ぐ日本で二番目に経験豊富なJリーガーである。この企画は、サッカー界の表も裏も知り尽くした男マスター・ナガイに、メーカーの枠組みを超えて各社のスパイクを試し履きしてもらい、その寸評とジャッジを公にしてしまおうという、おそらくは世界でも初めての試みなのである。今回は第5話をお届けする。

シリーズ:永井秀樹が語る最高のスパイク text by キングギア photo by King Gear

永井秀樹が語る最高のスパイク

永井
東京ヴェルディの永井秀樹が選ぶ最高のスパイクは?【写真提供:キングギア】

──続いてはナイキに参りましょうか。ティエンポ・レジェンド6・HG-Eでございます。

マスター永井 「これ、代表だと誰が履いてるの?」

──結構いますね。昨年のカンボジア戦ですと、西川選手、森重選手、遠藤選手ですか。

マスター永井 「あれ? あの試合、森重って出てたっけ?」

──いえ、出ておりません。

マスター永井 「どうやって調べたの?」

──現地でカメラマンの方にお願いして、試合前やハーフタイムの練習などを撮影していただきまして。

マスター永井 「依頼されたカメラマンが驚いてなかった?」

──ま、何せ前代未聞の依頼でございますから。ただ、やっていくうちに意外な発見もございまして。

マスター永井 「どうしたの」

──クラブ・ワールドカップが開催された際、出場した全選手の使用スパイクを特定すべく、カメラマンの方に撮影をお願いしたのですが、そうしたら、メッシが足にタトゥーを入れていることが判明いたしまして。

マスター永井 「あ、練習の時に?」

──はい。マスター・ナガイがお若いころと違い、いまは試合中にストッキングを下げることは許されておりません。ただ、練習中は話が別、ということでございまして。

マスター永井 「へえ~。じゃ、スパイクのインプレッション行こうか」

──お願いいたします。

マスター永井 「まず思ったのは、意外に重たいんだなっていうこと。これは別に不満を感じてるんじゃなくて、俺の中のイメージで、ナイキっていうととにかく軽いって印象があったから」

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