「韓国で結果を残さなければならない」
彼は守備の「質」を向上することが出番につながると考えている。
「守備についても当たりが足りないといわれることもある。でも、攻撃も守備も体をぶつけるだけではない。体を当たらずにボールを奪取する能力をもっと磨いていきたい。あと、体のバランスも大事。だからコアトレーニングも怠らずに続けていきたい。そこが改善すれば出番も増えるのではないか」
開幕前には有力な降格候補と評価されたチームは下馬評を見事にやぶり、予想外の結果(7月の時点で8位と上位スプリット進出圏を目前にしている。Kリーグはスプリット制を採用しており、33節が終了した時点でリーグ1~6位までは上位、7位から12位までは下位に分けられ、5試合を行い、最終順位を決める)を出している。
和田と光州との契約は今年まで。クラブからは「守備の面を改善すれば」と条件付きの契約延長の話も交わしているというが、まだ不確実。それでも彼は韓国でのキャリア続行を表明した。
「まだ日本に戻る気はない。こういう言い方はおかしいかもしれないけど、もっと成長するには海外のほうがいいかと。もちろんオファーがあれば、どこにでも行く準備はしている。Kリーグの上位クラブに行きたいなと思うところはあるけれども、まず出番を増やすのが先。ここで結果を残さなければならない」
インタビュー最後に写真を撮るためにグラウンドに出た。ユニフォームに着替える前に、彼は海外での現役生活の意地を改めて口にした。「オファーがあれば、世界のどこでもいく」と、サッカー選手としてのプライドが感じられる一句だった。
慣れた故郷を離れ、異国、それも自ら選んだシビアな環境でのチャレンジが彼にどれだけの成長をもたらすのか。真の意味でプロとしてスタートラインを切ったばかりの和田倫季が見せる今後のキャリアが楽しみだ。
(文:キム・ドンヒョン【城南】)
【了】