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「正当ではない結果など欲しくもない」。異端の監督、パコ・ヘメスの気高き魂【超攻撃的フットボールの美学】

シリーズ:超攻撃的フットボールの美学 text by 江間慎一郎 photo by Shinichiro Ema, Getty Images

「誰よりも濃厚なロマンスを描いていく覚悟だ」

インタビュー当時、パコ・ヘメスはラージョ・バジェカーノの監督を務めていた
インタビュー当時、パコ・ヘメスはラージョ・バジェカーノの監督を務めていた【写真:Shinichiro EMA】

――ラージョとの契約は今季限りで終了しますね(※しかし一転して、その後に契約を延長)。

P どこに行くかは、まだ考えていない。時期尚早だよ。ここに残ることなく、新たなチームを探すということは確かだが、まずは届くオファーを考慮しなければね。できるならばスペインから去りたくない。

 国外からオファーが届けば、そのプロジェクトを検討するが、私はリーガこそ最高のリーグだと思っている。スペインは不況に苦しみ、イングランドやドイツもレベルを上げてきてはいるが、それでもここには世界最高の選手たちが揃っている。何より、ここのテクニカルなフットボールが最も美しいと感じる。

――映画はよく見られますか?

P 大好きだよ。テレビではなく映画館で見るし、週2回のペースで通い、ポップコーンを食べながら集中している。ジャンルは問わず、アクションやアニメーション、戦争物など、とにかく何でも見るよ。

――ディエゴ・シメオネは「アクション映画はカウンター、恋愛映画がポゼッションで、私はアクション映画を好む」と話していました。

P (笑)。それぞれが好きなプレースタイルを、好きな映画に当てはめられるということだ。映画であれば、自分はアクション映画を見たいときも、恋愛映画に浸りたいときだってあるよ(笑)。

 まあフットボールにおいては、恋愛映画を得意とするグアルディオラが、最も大きな成功をつかめているね。彼は美しい愛の物語を撮り続けることに執着し、多くの人々を魅了している。彼に比べたら自分は迷監督かもしれないが、誰よりも濃厚なロマンスを描いていく覚悟だ。

(取材・文:江間慎一郎)

【了】

『フットボール批評』最新号(issue12)では、パコ・ヘメス監督と元バルセロナのエリック・アビダル氏による対談を掲載しています。こちらもあわせてお楽しみください。

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