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アジア 8年前

増田誓志が感じた恐怖心。融合と反発の4年間で見た韓国サッカーの良し悪し【Kリーグの日本人】

アジアチャンピオンズリーグ(ACL)でKリーグとの対戦が増える中、Kリーグに興味を持つ日本のファンも少なからずいるのであろう。かつて日の丸を背負っていた高原直泰、戸田和幸、前園真聖などビックネームもKリーグを経験しているが、その絶対数は数少ない。今季スタート時点でKリーグに登録している日本人は4人。近くて遠い国とも言われる韓国でのプレーを決意した日本人たちは今、どのようなサッカー人生を送っているのか。(文:キム・ドンヒョン【城南】)

シリーズ:Kリーグの日本人 text by キム・ドンヒョン photo by キム・ドンヒョン

韓国サッカーを下支えしてきた現代

増田誓志
蔚山現代で奮闘する増田誓志【写真:キム・ドンヒョン】

 7月上旬、韓国南部は梅雨の影響に入っているとの天気予報だったが、全くその気配はない。晴天が続き、ドライブ日和が広げられた。木浦(モクポ)から南部海岸沿いの高速道路を走り、内陸まで気持ちよく突っ走った。目的地は蔚山(ウルサン)。

 ソウルから木浦まで韓国半島を縦断するのであれば、木浦から蔚山は韓国南部を完全に横切るような形である。距離もおよそ400kmとあまり変わらない。本来の計画ならば蔚山の近くにある韓国の第2都市、釜山(プサン)に寄って釜山アイパークでプレーする渡邉大剛に会う予定だった。

 しかし前日、なんと渡邉大剛選手がカマタマーレ讃岐へと電撃移籍。釜山の広報担当から夏場に移籍するかもしれないとその噂は聞いていたものの、思わぬ形の移籍で予定変更を余儀なくされた。

 一日早く着いた蔚山は韓国の広域市の1つで人口120万人と韓国7位の大都市。韓国の大企業、現代(ヒュンダイ)が造船や自動車など重工業団地を大規模に造成し、韓国経済の基盤となっている。

 面白いことに蔚山をホームタウンとする2つのスポーツクラブ (サッカー、バスケットボール)ともに現代が出資している(現代は韓国サッカーの発展に大いに貢献している。2000年以来、韓国サッカー協会の会長はすべて現代出身。プロサッカークラブは系列を含めば3つ、実業サッカークラブを含むと全4クラブを保有する)。

 ここまで書くとわかる人もいるのだろう。この蔚山にはアジアの舞台でおなじみのビッククラブ、蔚山現代がある。そしてこのクラブには現在韓国でプレーする日本人選手の中でもっとも在籍歴が長い増田誓志が属している。

 鹿島アントラーズでデビューし、モンテディオ山形にレンタル移籍した1年を除くとずっとワンクラブで活躍した彼は、その甘い顔や繊細なパスの裏腹に日本人離れしたタフなプレーでたくさんのファンを魅了した。そんな彼はもはや蔚山で在籍して4年目を迎え、確固たるレギュラーとして名を刻んでいる。

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