2年後、4年後に見る夢。スコットランドに宿る「種」
近年は、哀しいかなそんな“超大物新人”の登場に乏しいのだが、そこで期待されるのが、ついに果たされた「オールド・ファーム」の一角、グラスゴウ・レインジャーズ待望の1部復帰による、スコティッシュプレミアの再活性化だ。セルティックの寡占状態で湿る一方だったリーグのイメージに覇気と力強さが戻れば、新たな才能の噴出にも必ずやエンジンがかかるはず。そう、出てこい、第二、第三のアリー・マッコイスト!(※)
(※)アリー・マッコイスト…1983年~1998年までレインジャーズに所属し、スコットランド代表でも活躍した伝説的ストライカー
留任が決まったゴードン・ストラカン代表監督の豊富な経験と広範な人脈が、そこで改めて物を言いつつ、着実に有意義に世代交代が進めば、スコットランドが“迷えるイングランド”どころか今やUKナンバーワンのウェールズに肩を並べ、もしかしたら追い抜いてしまう可能性は決して小さくない…などというとさすがに口が過ぎる?
いずれにせよ、まずは2年後、4年後の成果に夢を追ってみるも良き哉。伝統に培われた筋金入りの“潔さ”は、何かのきっかけで大化けの実をつけるに違いない、掛け替えのない「種」なのだから。ちなみに、スコットランドの国歌はその名も「Flower of Scotland」である。
(文:東本貢司)
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