Jクラブへの配分、正しいのか?
Jリーグ(日本プロサッカーリーグ)は20日、英国に本社を置くパフォームグループと2017年以降の放映権に関する契約を結んだことを発表した。金額は約210億円(年間)で、10年契約。過去最高額の契約となる。
既存のスカパー!を主体とする契約は年間で30~50億円と推定されている。従来の4~7倍に増えたことになるが、重要なのはその使い道だ。Jリーグは用途を決めておらず、今後の理事会などで話し合われる。
「今回の契約は嬉しいこと。ただ、その増えた分を各クラブに分配しても、1~2億円程度しか(収入が)増えないのではないか。果たしてそれがJリーグ、日本サッカーにとっていいことなのかどうかは疑問」
匿名を条件に取材に応じたJクラブ関係者はこう語る。Jリーグは放映権料を分配金という形で各クラブに渡している。だが、現状JクラブはJ1~J3合わせて53もある。パフォームとの契約で大幅に放映権料が増額したとはいえ、従来通りの分配であれば大きな変化はない。
前述の関係者は、「ビッグクラブになる得るクラブ、成長が期待できる地域にあるクラブに投資するのがいいのではないか。全体としてどう使うか、が非常に重要」と語る。Jリーグはどこが優勝するか予想が難しいほど戦力が拮抗している。熾烈な優勝争いや残留争いは見ものだが、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)では長く優勝から遠ざかっており、海外との競争力という意味では厳しい状況にある。
例えば、ACL出場クラブの戦力アップのために、有力選手獲得の移籍金の一部負担というのも手段の1つではある。それがフォルランのような著名選手であれば、リーグ戦の観客動員増も期待できる。