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香川真司 8年前

今季の香川真司は“どっしり重たい”。ドルト躍進の鍵握るトップ下の“前へ行く”力

text by 本田千尋 photo by Getty Images

どっしりとした香川。前に行く力を意識

香川真司
香川真司は、ザンクトパウリ戦ではカストロと並んで右のインサイドハーフで先発【写真:Getty Images】

 ザンクトパウリ戦は[4-3-3]で、左SBのシュメルツァーが上がって3バックの形を取る可変式のものだ。ミュンヘン戦は[4-2-3-1]である。どちらもボールを大事にしようとするスタイルで、昨季のドルトムントの基本戦術である。

 香川真司は、ザンクトパウリ戦ではカストロと並んで右のインサイドハーフで先発する。カストロが下がり気味のポジションを取ることもあり、実質的にトップ下と言える。ミュンヘン戦ではローデ、メリーノの2ボランチを背に、トップ下での先発となった。どちらの試合も前半のみの出場である。

 短期合宿中に香川のメディア対応はなく、その辺りのことについて本人から直接聞くことはできなかった。BVBの広報により、対応はトゥヘルとシュメルツァーといった一部に限られた。だが、日本でのトレーニングで、しっかりと体を作ってきた香川のコンディションは良好のようだ。

 ザンクトパウリ戦の前半だけを見ても、日本代表として出場した6月のブルガリア戦で負った怪我の影響を感じさせなかった。前にガツガツとプレスに行き、後ろにも下がりながら、カストロとローデと組んだ中盤を広く動く。ボールを受ける前から次の出しどころが見えていて、大きいサイドチェンジも繰り出すなど、簡潔な判断が目立った。

 それだけでなく、昨季の終盤と比べて香川の体は、一回りどっしりとした印象がある。太ももがしっかりとして、重心が低くなったようだ。昨季4月のシュトゥットガルト戦の試合後には、ヨーロッパで「前に速く、ひとりである程度打開できる選手」に刺激を受けていることを明かした。その「前に行く力」を身につけようとする、追求の過程の現れなのだろうか。

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