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日本人選手のテクニックはなぜ世界で通用しないのか? スペインにおける「技術」の考え方

text by 坪井健太郎 photo by Getty Images

高いインテンシティの中で起こる判断ミス

 次に技術を測る上で大切なことは、どのレベル、インテンシティの中でプレーしているかです。レベルの高い試合では各選手がプレーするための時間とスペースが少なく、インテンシティが高くなります。

 スペースも時間も制限されるため、プレーを選択するための時間が減り、そこで慌ててしまい実行部分でのミスが出る傾向があります。

 例えば、日本が国内でキリンカップを戦っている時期に、韓国は欧州遠征を実施してEURO開幕前のスペイン、チェコと親善試合を行い、スペイン相手に1-6で大敗しました。韓国のスペイン戦を技術面から分析した時に、「ゴール前でバタつく」という傾向がはっきりと出ていました。

 攻撃のフィニッシュ局面でシュートをふかす、ゴール前で考えられないようなパスミスを犯すといったものです。それは技術がないから起こるミスではなく、高いプレーインテンシティの中でのプレー経験がないため、慌ててプレーすることにより発生するミスでした。

 相手がスペインのように世界トップレベルになるとそういう現象、ミスが起きてしまうのがアジアの技術レベルで、おそらく日本がスペインとやった時にも特にゴール前で同じようなミスが起こると思います。

 そうしたミスはアジアの中だけでやっていても出てきません。だからこそ、6月の韓国のように欧州に出向き、ハイレベルな相手とやらなければ起こらないミスというものを経験した方がいいのです。

 さて、日本人の技術レベルを測定するために今回は6月のキリンカップ決勝ボスニア戦をチェックしました。

(続きは『フットボール批評issue12』をご覧ください)

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