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セリエA 8年前

「スタジアム建設には地元への還元が必要」。フロジノーネ会長が掲げる小規模クラブの経営ビジョン【独占取材】

text by 神尾光臣 photo by Frosinone calcio / Getty Images

「市とクラブで分業したことでスムーズに事が運んだ」

スティルペ会長
地元出身のスティルペ会長は市との分業によってスムーズなスタジアム建設計画を立てた【写真提供:フロジノーネ・カルチョ】

――ただ、残念ながらクラブは降格してしまいました。新スタジアムの運営にとって問題にはならないのでしょうか?

「おそらく最初のうちは、ネガティブな数字も出るかもしれない。ただこういったことは、やはり中長期的に評価してもらいたいと思っている」

――あとクラブが新スタジアムの建設計画を出す際には必ずと言っていいほど地元の自治体と衝突します。これは日本でもそうなのですが、フロジノーネ市とはどのように関係を築き、また問題を改善していきましたか?

「基本的に、市とはこのように分担をしている。スタジアムの土地自体は市の所有となるから、改修の一部分は市が受け持つ。一方で、我々はスタジアムの専用管理・運営権を向こう50年有する。当然、集客のできるスタジアムとして設備を整えていくのは我々の義務だ。分業の割り当ては明瞭になっていると思うし、ここまでは想定した以上にスムーズに事が運んできたと思う」

▼マウリツィオ・スティルペ
1958年7月31日、フロジノーネに生まれる。欧州でも有数の自動車プラスチック部品メーカーであるプリマ社の会長として、グループ全体で2500名の従業員を抱える。2003年からフロジノーネの会長を務め、2015年にはクラブ史上初のセリエA昇格へ導いた。

(取材・文:神尾光臣/取材協力:フロジノーネ・カルチョ)

【了】

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