「地元に還元したことによってスタジアム建設ができた」
――まず、セリエAを戦いた一年の率直なご感想をお聞かせ下さい。
「我々クラブにとっては重要なシーズンだった。このセリエAでの参戦によって、今後クラブとして成長を完遂するために必要な設備投資資金の調達ができたからだ。そして我々は、下部組織の育成も一括して出来る総合スポーツセンターを地元に建設した。
こうして地元に還元したことによって、フロジノーネ市から新スタジアム建設のための便宜を図ってもらえることにもなった。残念ながらセリエAへの残留は果たせなかったが、将来的に大きく発展するための礎を築くことはできたと思う」
――投資の一年だったとおっしゃいましたが、これまで地元のファンやメディアからは、補強を優先しろという要求はなかったのですか?
「我々は、最初から地元のファンの皆さんにははっきりと自分たちのスタンスを伝えてきた。つまりセリエAに上がっても、しっかりとした規模の練習施設が準備できず、集客を確保できるスタジアムを建設することができないのなら、たとえセリエAに残留できたとしてもその翌年以降を戦い抜けない。
それが我々の現実的な経営規模なので、他のクラブのようにセリエAで勝ち残っていくためには、まず先にインフラ面での整備を行う必要があるとね。そして実際、シーズンを戦うための補強については、テレビ放映権料や入場料など、あくまでシーズンにおける収入の範囲内で行うと宣言した。
とはいえ、練習施設などの整備について我々は1400万ユーロ(約16億1000万円)をかけている。それは金額として少なくないだろう。これで育成部門ために先進的な設備を準備することができたし、つまり優秀なサッカースクールの運営が可能となるのだ」