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EURO2016 8年前

EUROで見えた歴然たる差。日本と欧州基準は何が違うのか? 強豪国と戦うために求められる抜本的改革

EUROはポルトガルの優勝で幕を閉じた。大会中に見えた傾向の1つが堅守を武器に弱小国が強豪国と対等に渡り合う姿だ。果たして今の日本サッカーはこの世界最高峰の戦いに追いつけているだろうか。W杯を見据える上で、日本と欧州基準は何が違うのか。(取材・文:元川悦子【フランス】)

text by 元川悦子 photo by Getty Images

EUROで目立った堅守。高さと速さ兼ね備えた守備陣

ポルトガル代表
ポルトガルがファイナルを戦ったEURO2016【写真:Getty Images】

 アントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリー)がブレイク中の地元・フランスと、クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリー)擁するポルトガルがファイナルを戦ったEURO2016。

 最終的にはポルトガルが優勝したが、今大会から出場枠が24ヶ国に拡大したこともあって、これまで実績のなかった小国の躍進が目立った。グループステージでポルトガルを上回って1位通過したハンガリー、イングランドを撃破して8強入りしたアイスランド、タレント軍団・ベルギーに勝ってベスト4進出を果たしたウェールズなどの台頭は大いに目を引いた。

 こうした小国を第一に支えたのは、鉄壁の守備だ。例えばハンガリーであれば、大会最年長選手のGKキラーイ(ハラダーシュ)を軸に、クズミチュ(ヴィスワ・クラクフ)とユハース(ヴィデオトン)という190cm台の大型センターバックがゴール前を固めていた。

 アイスランドもGKハルドールソン(ブーデー・グリムト)とセンターバックのラグナル・シグルズソン(クラスノダール)、アウルナソン(マルメ)は190cm前後の屈強なフィジカルを擁し、相手の攻めを跳ね返し続けていた。

 ウェールズもベイル(レアル・マドリー)、ラムジー(アーセナル)ら豪華攻撃陣に目が行きがちだが、198cmのGKヘネシー(クリスタルパレス)とアシュリー・ウイリアムズ(スウォンジー)率いる3バックの安定感が光った。「ゴール前を守る守備陣は高さ・速さを兼ね備えていて当たり前」というのは、今大会出場国の共通要素とも言えるのではないか。

 準決勝でドイツを破ったフランスも、ボール支配率では35%と相手を大幅に下回っていたにも関わらず、シュート数は15本でドイツの17本とほぼ互角に持ち込んでいる。枠内シュートに関しては、相手の6本を上回る7本を放って2点を奪った。つまり、試合を通して見れば、守勢に回る時間帯が明らかに長かったということだ。

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