EUROで目立った堅守。高さと速さ兼ね備えた守備陣
アントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリー)がブレイク中の地元・フランスと、クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリー)擁するポルトガルがファイナルを戦ったEURO2016。
最終的にはポルトガルが優勝したが、今大会から出場枠が24ヶ国に拡大したこともあって、これまで実績のなかった小国の躍進が目立った。グループステージでポルトガルを上回って1位通過したハンガリー、イングランドを撃破して8強入りしたアイスランド、タレント軍団・ベルギーに勝ってベスト4進出を果たしたウェールズなどの台頭は大いに目を引いた。
こうした小国を第一に支えたのは、鉄壁の守備だ。例えばハンガリーであれば、大会最年長選手のGKキラーイ(ハラダーシュ)を軸に、クズミチュ(ヴィスワ・クラクフ)とユハース(ヴィデオトン)という190cm台の大型センターバックがゴール前を固めていた。
アイスランドもGKハルドールソン(ブーデー・グリムト)とセンターバックのラグナル・シグルズソン(クラスノダール)、アウルナソン(マルメ)は190cm前後の屈強なフィジカルを擁し、相手の攻めを跳ね返し続けていた。
ウェールズもベイル(レアル・マドリー)、ラムジー(アーセナル)ら豪華攻撃陣に目が行きがちだが、198cmのGKヘネシー(クリスタルパレス)とアシュリー・ウイリアムズ(スウォンジー)率いる3バックの安定感が光った。「ゴール前を守る守備陣は高さ・速さを兼ね備えていて当たり前」というのは、今大会出場国の共通要素とも言えるのではないか。
準決勝でドイツを破ったフランスも、ボール支配率では35%と相手を大幅に下回っていたにも関わらず、シュート数は15本でドイツの17本とほぼ互角に持ち込んでいる。枠内シュートに関しては、相手の6本を上回る7本を放って2点を奪った。つまり、試合を通して見れば、守勢に回る時間帯が明らかに長かったということだ。