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EURO2016 8年前

あの涙から2年…グリーズマンはフランスの伝説になれるか。立ちはだかるは2人の“赤い悪魔”

text by 舩木渉 photo by Getty Images

ポルトガル勝利の鍵は全得点を演出する“悪魔の2トップ”

ポルトガル
C・ロナウドとナニがポルトガルを引っ張る【写真:Getty Images】

 組織力と個のバランスに優れたフランスに対し、ポルトガルが勝利するためにはクリスティアーノ・ロナウドとナニの2トップがいかに機能するかが鍵になる。

 今大会ポルトガルが挙げた全8得点のうち、そのすべてにC・ロナウドとナニが関与している。決勝トーナメント1回戦でクロアチアを葬ったリカルド・クアレスマのゴールも、アシストこそついていないがナニのスルーパスとC・ロナウドのシュートがなければ生まれなかった。マンチェスター・ユナイテッド時代から築かれた連携に磨きがかかっている。

 フランスは大会前からセンターバックにけが人が続出し、本来招集されないはずだった選手達に頼らなければならなくなった経緯がある。故に守備に若干の不安を抱え、決勝トーナメントでは不用意なミスからゴールを許す場面が散見された。数々の国を葬ってきたポルトガル“悪魔の2トップ”はそういった隙を見逃さない。

 圧倒的なパフォーマンスで大会の主役に躍り出たグリーズマンを封じるという意味では、ペペの活躍も重要になる。準決勝は太ももの痛みを訴えて欠場していたが、ここにきてコンディションは回復。フランス戦には問題なく出場できる見込みになった。

 かつてのようなフィジカルで1対1を制する力強さは失われつつあるが、絶妙な位置取りで相手の選択肢を奪ってミスを誘う守備は円熟味を増している。チャンピオンズリーグ決勝でも対峙したグリーズマンとの駆け引きは勝負の分かれ目のひとつになるだろう。

 新たな王に牽引されるフランスが16年ぶり3度目の優勝を果たし、グリーズマンがプラティニやジダンの伝説に近づくのか。それともポルトガルが初の国際タイトル獲得でC・ロナウドがルイス・フィーゴやマヌエル・ルイ・コスタを超える伝説になるのか。

 欧州の頂点を決める最後の一戦はパリ近郊のサン・ドニで、日本時間11日朝4時にキックオフの笛が吹かれる。

(文:舩木渉)

【了】

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