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EURO2016 8年前

あの涙から2年…グリーズマンはフランスの伝説になれるか。立ちはだかるは2人の“赤い悪魔”

ついにEURO2016もクライマックスを迎えた。開催国フランスとポルトガルによる決勝は日本時間11日朝4時にキックオフとなる。優勝はアントワーヌ・グリーズマンに導かれたフランスか、はたまた徐々に本領を発揮しつつあるポルトガルか。全世界注目の一戦を占う。(文:舩木渉)

text by 舩木渉 photo by Getty Images

W杯の涙から2年。グリーズマンがフランスをけん引

グリーズマン
2014年ブラジルW杯でドイツに敗れた際、グリーズマンは大粒の涙を流した【写真:Getty Images】

 2014年7月4日、聖地マラカナンのピッチでアントワーヌ・グリーズマンは大粒の涙を流していた。大会を通じて5試合に出場しながらノーゴール。フランス代表はドイツ代表に敗れ、準々決勝で姿を消すこととなった。

 あれから2年。2016年7月7日、マルセイユの地であの時と同じドイツ相手に2ゴールを決め、グリーズマンは自らが大きく成長したことを証明して見せた。試合後はもちろん笑顔。チームメイトたちと16年ぶりのEURO決勝進出を祝った。

 今大会のグリーズマンは止められる者がいないほど圧倒的だ。攻撃では常に相手の空けたスペースを狙いながらフィニッシュ役を務め、カウンターの場面ではボールを前線に運ぶスイッチとなる。守備でも自陣まで引いて体を張ることを怠らず、積極的に中盤の選手達をサポートする。

 1トップのオリビエ・ジルーを支える「9.5番」の位置に入っていながら、まさに攻守に代えの利かないピースとしてチームの中心を担っている。歴代のフランス代表アタッカーに見られた必要以上のエゴがないのも特筆すべき点だろう。

 もちろん本来の役割であるフィニッシャーとして挙げた6得点も申し分ない。かつて今回と同じ自国開催だったEURO1984で9得点を挙げ、フランスを初優勝に導いたミシェル・プラティニに匹敵する活躍ぶりだ。

 グリーズマン本人は「ゴールを決められていることは嬉しいけれど、プラティニには遠く及ばない」と謙遜するが、フランスサッカー界の伝説に一歩ずつ近づいているのは間違いない。当時と違うのは決勝進出が1人の活躍だけで実現できたわけではないということだ。

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