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EURO2016 8年前

ドイツ代表、深刻化する“FW問題”。ゴメス不在の応急処置も奏功せず…世界王者は2年前の振り出しに

text by 本田千尋

深刻化するドイツ代表の“FW問題”

レーブ
ドイツ代表のヨアヒム・レーブ監督【写真:Getty Images】

 “FW問題”に追い打ちをかけるように、61分、ボアテングが負傷退場となる。レーブは「ボアテングのような選手が怪我で外れなければならないのならば、それはチーム全体に悪影響を及ぼす」と再び嘆いた。

 ドイツ代表において最も代えの効かない存在は、ボアテングなのかもしれない。フンメルスを欠いていたことも重なって、ドイツ代表は後方の起点を失った。攻撃面で前がなかなか上手くいかないだけでなく、後ろからのビルドアップもなくなったことで、この時点でドイツ代表は、行き詰まったと言えるだろう。もはや応急処置の施しようもなくなった。

 72分、ヘーヴェデスからキミッヒへのパスを、ポグバにカットされる。ポグバがジルーに上げたクロスを、ノイアーがパンチングで防ぐが、グリーズマンに詰められてしまう。0-2。

 既に67分にはゲッツェが投入されてミュラーと2トップを組み、79分にはサネが投入されてドイツ代表は得点を狙いに行ったが、焼け石に水だった。

 0-2のまま試合は終了する。ドイツ代表は、準決勝で姿を消した。

 EUROのフランス戦を終えて、ドイツ代表の“FW問題”はブラジルW杯直後の振り出しに戻ってしまったのかもしれない。

 クローゼの代表引退による穴は、今大会ではひとまずゴメスが埋めた。しかしゴメスもEURO決勝の日には31歳となり、怪我のリスクは今後も付きまとう。

 そしてゲッツェの“偽9番”は、もはや見通しが立たない。ロシアW杯に向けて、ドイツ代表の“FW問題”は、喫緊の課題と言えそうだ。

(文:本田千尋)

【了】

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