ゴメス不在はミュラーで応急処置
振り出しに戻ってしまった。2016年7月7日のEURO準決勝、ドイツ代表はマルセイユでフランス代表と戦う。
イタリア戦で負傷したゴメスが今大会絶望となったことによって、レーブはフランス戦でのFW起用について“2つの可能性”に言及していた。1つは、トーマス・ミュラーをセンターフォワードで起用すること。もう1つは、ミュラーに誰かを加えた2トップを用いることだ。
代表監督がそう語ったとおり、フランス戦ではミュラーがゴメスの代役に抜擢された。ミュラーをワントップに置くことは、今大会では初めてのことである。
そういった応急処置のためか、序盤のドイツ代表はなかなか攻撃を組み立てられない。ボールを獲ったときに、少し判断が鈍った。12分には、ボアテングから左サイドを上がるヘクトルにパスが合わないなど、攻撃面で全体のバランスを欠いた。
そんな不慣れな中でも、徐々にドイツ代表は攻撃を組み立てていく。ミュラーはエリア内に留まらずに広く動くだけでなく、左SHのドラクスラーが中に絞ることで、2トップのような形も取る。13分には、チャンの右からの折り返しに対して、ニアにミュラー、ファーにドラクスラーの2枚が合わせようとした。
こうしてレーブは、“2つの可能性”を同時に実現しようとしたようだ。21分には、クロースがミュラーとのワンツーでエリア内に入っていく。ミュラーはワントップとしても精力的に動いた。