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元ウルグアイ代表FW、22年間愛用した「13番」でギャングの標的に?

text by 編集部 photo by Getty Images

アブレウ
セバスティアン・アブレウはプロキャリア22年を通じて「13番」を愛用してきた【写真:Getty Images】

 現地時間6日、元ウルグアイ代表FWセバスティアン・アブレウのエルサルバドル1部サンタ・テクラFC加入が発表された。しかし、同選手が選んだ背番号が波紋を呼んでいる。

 アブレウは新天地での挑戦に向けて「13番」を着用することを明かした。この番号は同選手がウルグアイ代表やこれまで所属してきた数々のクラブで愛用してきた特別なものだ。

 しかし、エルサルバドル紙『エル・ファロ』は「13番」は「ギャングの標的になるため避けられてきた背番号」として、アブレウ加入の影響を危惧している。

 エルサルバドルには「マラ・サルバドルカ13」と「バリオ18」という2大ギャングが存在する。それぞれ「13」と「18」を象徴にしている。そのため国内リーグでは長く2つの背番号採用が避けられてきた歴史がある。

 この問題を報じた『エル・ファロ』紙によれば、5年前には国内の1〜3部まで66クラブのうち、「13番」と「18番」を使用していたのは14クラブのみだった。2013/14シーズンは1部10クラブのうち8クラブが「18番」を使用せず、5クラブは「13番」を空けたままにしていたという。

 サンタ・テクラFCのホセ・ビダル・エルナンデス会長はこの問題について「(背番号のことを)明らかにしたのだが、アブレウが彼の番号(13番)を使いたいと求めてきた。この決断を尊重する。我々はサッカーを通じて不健全な意思を完全に取りはらえることを願っている」と述べ、ギャングを恐れず戦う姿勢を見せねばならないと説いた。

 アブレウ本人は「背番号のことについては聞いたが、未知の状況だ。僕がプロキャリア22年を通じてともにしてきた番号なんだ。矛盾を生むことは望んでいないが、これは僕に継続性を与えてくれる」と語り、10ヶ国21クラブを渡り歩いて長く着用してきた背番号にこだわりを見せる。

 多くのクラブはギャングの標的になることを恐れて特定の背番号を避けてきた。エルサルバドルは世界で最も危険な国として知られており、昨年は人口約600万人の小国にもかかわらず6657件の殺人が起きたことで知られる。今回アブレウは「13番」を選んだが、これによって行き過ぎた暴力のターゲットにならないことを願うばかりだ。

【了】

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