正当なPK判定。確実に決めたグリーズマン
試合を動かしたのは前半終了間際のコーナーキックだった。左サイドからエヴラがクロスをあげると、ドイツの左サイドバック、ヨナス・ヘクターがあっさりとコーナーキックに逃げてしまう。そこでフランスが得たコーナーキック、エヴラのヘディングシュートをシュバインシュタイガーが右手でブロックし、フランスにPKが与えられる。
シュバインシュタイガーがハンドの反則を犯した場面、彼はエヴラに対して遅れを取り、右手を伸ばして守備にいっている。腕を広げてディフェンスにいった選手の手にボールがあたった場合は、ハンドの反則としてジャッジされる。2014年W杯決勝でも主審を務めているニコラ・リッツォーリは、ポジショニングも含めて素晴らしいジャッジを下したと言えるだろう。ホイッスルが遅れたのはコミュニケーションシステムでアシスアントレフェリーらに念のためセカンドオピニオンを得るためだろう。シーン自体は確実に目でとらえていた。
このPKを蹴るのはグリーズマン。イタリア戦で2度のPKストップを見せたノイアーの逆をついて確実に沈めた。2015-16シーズンのCL決勝、試合後半に得たPKを失敗したアトレティコの7番だが、その経験を受けて今回キッカーを務めることにためらいはなかったのだろうか。仏メディア・レキップによれば、試合後この件について問われたグリーズマンは「重要な場面では、また蹴ろうと思っていた。この決断をしたこと、そしてゴールを決められたことに満足している」と語っている。
後半はドイツがさらに攻勢を強めるが、この試合でも負傷者を出してしまう。フランスにとって厄介な存在となっていたボアテングが負傷交代となった。出場停止のフンメルスに続き、ドイツは後方から的確なロングボールを送ることのできるセンターバックを失った。
すると72分にフランスが追加点を奪う。直前にカンテがアンカーとして投入されたことでインサイドハーフの位置に上がったマチュイディとポグバが、相手ペナルティエリア内でプレッシング。そこでボールを奪ったポグバがクロスをあげ、ノイアーがはじいたボールをグリーズマンが押し込んだ。