1000万人vs300万人の戦い
EURO2016準決勝で激突するポルトガル代表とウェールズ代表を取り巻く環境は対称的だ。
ウェールズ代表は今大会最大のサプライズの一つであり、勝ち進むにつれて大きな人気を獲得している。大エースのガレス・ベイルだけでなく3-5-2と特殊な布陣を敷くチームの組織力は目を見張るものがあり、ソリッドで完成度の高いサッカーを展開している。
ポルトガル代表は終始不安定なパフォーマンスをみせ未だ90分間で一度も勝利していない。それでも、グループステージでは参加国拡大による新ルールによって何とか3位で決勝トーナメントに駒を進め、その後も延長戦とPK戦を制して準決勝まで辿り着いた。
一方で両国の共通点といえば、どちらも欧州の中では小国であるということだ。
国家としてはイギリスに属するウェールズは厳密には“国”ではないが、同地域の人口は300万人とみられている。サッカー界では大国のイメージのあるポルトガルも決して人口が多い国ではなく、オランダ、ベルギー、ギリシャといった国々よりも少ない人口1000万人となっている。
そんな小国といえる両代表だが、ポルトガルはクリスティアーノ・ロナウド、ウェールズはガレス・ベイルというレアル・マドリーの2人の巨人を擁している。両選手の活躍に注目が集まることは必至だ。
【次ページ】鍵を握るNo.2の欠場